日本ハッカー協会代表理事・杉浦隆幸～知らないメールが来たら「あなたの情報が漏れている」ということです

By - NEWS ONLINE 編集部　公開：2021-03-31 　更新：2021-03-31

黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」（ニッポン放送）に一般社団法人・日本ハッカー協会代表理事の杉浦隆幸が出演。サイバー犯罪の手口やケース、その対策について語った。

杉浦隆幸

黒木）今週のゲストは一般社団法人・日本ハッカー協会代表理事の杉浦隆幸さんです。悪事を働くブラックハットハッカーが行うハッキングやサイバー攻撃、世界ではプロとしてそうした行為をするハッカーがいるのですね。

杉浦）プロのハッカーたちは、いくつかあります。犯罪組織のなかで働く人たち、軍や政府に雇われて働くような人たちもいますし、あとはそういうハッカーの犯罪コミュニティに入って役割分担をして働いている人たちなどもいます。

黒木）本人は「悪いことをしている」という自覚はあるのですよね？

杉浦）経済犯罪などであれば当然あります。ただ、軍や政党などでは正義と思ってやっている人は多いですね。「我々は正義のハッカーです」というように。体制側なので。よくある事例なのですが、米軍とイスラエルのハッカーが軍に所属しているのですけれど、その人たちがイランの核燃料の濃縮施設を攻撃したのですよ。実際、かなり批判されている内容なのですけれど、攻撃して、侵入して核施設を破壊して、さらにそこの核の研究開発を遅らせたというところで、彼らからすると、正義のハッカーなのです。

黒木）その身近なサイバー攻撃、情報を抜き盗られたと自分で気づくものですか？

杉浦）そうですね、気づくこともありますし、気づかないこともあります。「あなたのパソコンを乗っ取りました」というメールがたまに来ませんか？

黒木）「乗っ取りました」は来ていませんが、「あなたのアドレスから送りました」というのはありますね。

杉浦）そうですか。それが来ているということは、情報が既に洩れています。

黒木）怖い！

杉浦）どこかのサイトのIDやパスワードが洩れて侵入されたので、その情報が来ているのですね。

黒木）どうしたらいいのですか？

杉浦）パスワードを変えるしかないです。インターネットで買い物などはされますか？

黒木）します。

杉浦）その買い物サイトが侵入されている可能性も高いのです。買い物の履歴が盗まれているのです。クレジットカードは厳しく管理されているので、洩れることは少ないです。洩れたら通知が来ますので、クレジットカードの登録は別で動いているため、なかなか盗まれないようにはなっています。黒木さんの場合は情報が洩れていることになります。

黒木）ということは？

杉浦）過去に情報が洩れているのですよ。

黒木）あぁ、洩れているんだ。

杉浦）そういうメールが来ても、気がつかないではないですか。見方がわからないと、自分が被害に遭っているということがわからないこともあります。

黒木）なるほど。不正なことはないので大丈夫ですけれど。

杉浦）いまのところないだけですけれどね。

黒木）いまのところないだけ？

杉浦）いつあるかわからないです。

黒木）なるほど。

杉浦）遭っても気づかないですもん。何をどのように使われているかわからないし。

黒木）いまからでも1つひとつ、パスワードを変えて行けば、今後、そのようなことはないということですよね。

杉浦）そうですね、少なくなるだけですね。どうしても直接侵入されてしまうウェブサイトがありますので。