ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。イラン原子力庁が中部ナタンズの核施設がテロ攻撃を受けたことを発表したニュースについて解説した。
イラン原子力庁~核施設がテロ攻撃
イラン原子力庁は4月11日、中部ナタンズの核施設がテロ攻撃を受けたと発表した。攻撃を仕掛けたのは「イランの産業的・政治的進歩に反対する勢力」と主張しているが、妨害工作を指示した可能性のある国の名前や組織の名前を特定するまでには至っていないということである。
飯田)当初はウラン濃縮施設の電気回路の一部で故障が発生したとしていたのですが、その後、国営テレビが伝えた声明で「テロ攻撃であった」と発表したということです。
アメリカとの政治的な駆け引きの側面も
須田)どの程度の規模のテロなのか、または事故なのか、その辺りの詳細も伝わって来ていないので、何とも言えないのですけれども。いずれにしても、さまざまなことが動き始めているということではないでしょうか。アメリカのバイデン政権発足とともに、イランとの関係修復、核合意への復帰という方針を打ち出しているので、それに対する政治的な駆け引きという側面もあると思います。
中露の思惑も含めてどう動いて行くか
須田)イランのバックには中国とロシアが付いていますので、単純にイランの核開発ではなく、中露の思惑等含めて、どういう綱引きが進んで来るのか。アメリカが明確に打ち出した対立軸というのは、ある意味で民主主義国家と、全体主義国家という、権威主義国家という言葉を使っていますけれど、イランもそういう陣営にカウントされてしまうところもありますので、全体の対決や対立の構図のなかで、イラン問題がどう動いて行くのかというのが注目される点だと思います。
イラン国内の穏健派と強硬派の綱引きという側面も
飯田)これは考えるなかでいろいろな変数があって、メディアで報じられているところではイスラエルというような名前も出ています。一方で、イランはイランで大統領選を目前にしていて、強硬派からすると、対立しているイスラエルが何かことを起こしてくれた方が、自分たちにとっては有利だと見る向きもあるらしいですね。
須田)イラン国内の政治的な対立、穏健派と強硬派の間の綱引きには激しいものがあります。そういう意味で言うと、今回の「テロ攻撃だ」というところも、国内向けの部分もあるのかと思います。
飯田)国営テレビが伝えている声明と考えると。他方、イスラエルからすれば、イランがこれ以上、核開発を進めることは許せないと。
須田)イスラエルは過去にイラクのオシラク原子炉施設を空爆するという、とんでもないことをしでかした前歴があります。ただ、あのときの中東戦争がリアルな問題としてあった時代とは状況が違います。イスラエルはイスラエルで、今度は強硬派と穏健派の間でまた綱引きがあるというところがあるので、国がまとまっているという状況ではないですからね。
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