なぜ日本の“人権派”は中国へ批判の声を上げないのか~香港活動家・羅冠聡氏の英国亡命が認定

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月9日放送)に内閣官房参与で外交評論家の宮家邦彦が出演。イギリスへの亡命が認定された香港の民主活動家の羅冠聡(ネイサン・ロー)氏について解説した。

イギリスへの亡命申請が認められた羅冠聡(ネイサン・ロー)氏

イギリスで亡命申請をしていた香港の民主活動家・羅冠聡(ネイサン・ロー)氏は4月7日、申請が認められたと明らかにした。これを受け、中国は8日、イギリスが「指名手配犯」をかくまっていると批判した。

飯田)香港の民主活動家で、いち早くイギリスに渡っていたという方であります。

日本はどうなのか

宮家)イギリスには、香港が植民地であったことなど、いろいろな経緯があるわけですから、希望者を保護するのは当然だと思います。これに中国が反発するのは仕方ないとして、今一番気になるのは「日本はどうなのか」とうことです。中国に限らず、今世界ではいろいろなところで人権問題がクローズアップされている、日本は新憲法のもとで、人権に関しては極めて敏感であり、重視もしているわけです。しかし、日本には各種人権団体がたくさんあるはずなのですが、なぜか、香港やウイグルで人権問題が起きても、「何とかしろ」と声を上げている人たちはごく一部なのです。

人権団体からの声が聞こえて来ない

宮家)人権について一生懸命やって来られた方々が、どうしてこの問題には沈黙しているのか。「いや、沈黙などしていない」とおっしゃるのかも知れませんが、私にはあまり聞こえて来ません。彼らがもし声を上げていたら、日本ではすぐに国民のコンセンサスになります。そうなれば、新しい法律をつくったり、新しい政策をつくるなど、オールジャパンでいろいろなことができる気がするのです。どうも、彼らは意図的に黙っているのではないかという気がするのです。違いますか?

中国への批判が見えない日本

宮家)本当に我々が人権のことを真剣に考えるのであれば、当然、行動や発言も変わって来るはずだという気がします。イギリス、アメリカ、欧州は特にそうですが、いい意味でも悪い意味でも、原則は一貫しているのですよ。どこの国であろうが、同盟国であっても人権侵害があればきちんと批判する。そこが日本国内には見えないのです。

飯田)皆さん活動はそれぞれでやっていらっしゃると思いますが、人権というもののもう少し前のところに、例えば党派性などがちらついてはいないかと思えてしまうところがあります。

宮家)「特定の国に遠慮しているのではないか」と言う人もいます。私はそうであってはいけないと思います。少なくとも、人権のことを本当に考えるのであればね。

飯田)普遍的な価値であると。

宮家)そうですよ。

飯田)しかも価値観外交というものを、この国は旗印にしているところがあります。

宮家)なかなか欧米のような形にならないかも知れませんが、そろそろ考え方を変えるときではないでしょうか。

飯田)ようやく制裁についての議連ができたりしています。

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