バイデン大統領の初の首脳会談に菅総理が選ばれた「もう1つの理由」

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月13日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。4月16日の開催が正式に発表された日米首脳会談について解説した。

バイデン大統領の初の首脳会談に菅総理が選ばれた「もう1つの理由」

2021年3月16日、発言する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202103/16kaigi.html)

4月16日の日米首脳会談正式発表

アメリカ政府は4月11日、バイデン大統領と菅総理大臣が4月16日に首脳会談を行うと正式に発表した。公式実務訪問賓客としてホワイトハウスに菅総理を受け入れ、会談後に共同記者会見を開く予定だ。

飯田)バイデンさんとしては、初めて外国の首脳と対面で会談する。その相手が菅さんであるということで、2国間の友情、協力を重視する表れだと説明しているようです。

バイデン大統領の初の首脳会談に菅総理が選ばれた「もう1つの理由」

ホワイトハウスで記者会見するバイデン米大統領(アメリカ・ワシントン)=2021年3月25日 AFP=時事 写真提供:時事通信

初めての首脳会談の相手に菅総理が選ばれたもう1つの理由~日本は新型コロナの感染者数が少ない

クラフト)政府筋から聞いた話では、当然、アジアでの重要性、経済的な大きさということで日本が選ばれたのですが、「日本は比較的感染が少ない」ということも選ばれた要因の1つだということです。バイデン大統領の年齢のせいか、アメリカ側は非常にコロナに敏感で、日本側に毎週コロナのデータを要請して、こと細かに見ているそうです。2日に日米韓の安全保障のトップ会談が行われました。

飯田)安全保障担当の大統領補佐官のサリバンさんと、日本からは国家安全保障局長の北村さん、韓国からも情報機関トップがやって来ました。

クラフト)ただ、それはホワイトハウスでは行われていないのです。メリーランド州で行われたのです。

飯田)ワシントンD.C.ですらない。

クラフト)要するに近付けたくないのです。だから、菅総理が実質上の初めて対面する要人なのです。アメリカの政権閣僚でさえ、ホワイトハウスへの出入りはかなり制限されていて、神経質になっているということです。

バイデン大統領の初の首脳会談に菅総理が選ばれた「もう1つの理由」

菅義偉首相、バイデン米大統領(ロイター=共同)=2021年1月28日 写真提供:共同通信社

夕食会もなく、時間と中身を制限した首脳会談

飯田)今回、菅総理とバイデン大統領の夕食会などの日程も現時点ではないということです。

クラフト)日本で言う、時短営業ではありませんが、自粛する気持ちはあります。長時間は一緒にいないという、アメリカ側の要因だと思います。異例ですけれども。

飯田)会談だったらマスク越しで喋るけれども、夕食会となると、と。

クラフト)しかも、当日、バイデン大統領は地元のデラウェア州に戻るわけですから、丸1日一緒にいるということではありません。通常の首脳会談より時間と中身を制限してやるのだなと伺えます。

バイデン大統領の初の首脳会談に菅総理が選ばれた「もう1つの理由」

27日、米ホワイトハウスで話すバイデン大統領(ロイター=共同)=2021年2月27日 写真提供:共同通信社

会談直前に出された中国への「戦略的競争法」~日本へも対中強硬対策の賛同要求か

飯田)中身についてもいろいろ出て来ていますね。

クラフト)いま、アメリカは対中制裁をいろいろ考えていて、4月8日にアメリカの上院外交委員会で、「戦略的競争法」という、中国に向けた規制法案が出されました。

飯田)しかも超党派ですよね。

クラフト)超党派です。中身が相当厳しく、「バイデン政権は十分な制裁を怠っている」とまで言い、「細かい行為や行動に対して制裁をかけなさい」と義務付けている法案です。これが可決されると、バイデン政権は中国に対してより厳しくなります。これが、日本の首脳が来る直前に出たということは、対中の強硬対策、また制裁に関して、「日本も賛同してくれ」と言って来ることが予想されます。バイデン大統領が対面で会う初めての首脳として呼ばれたけれども、それにはそれ相当の請求書も付く可能性があります。日本も喜んでばかりはいられないということです。

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