必要なのは地域に合った接種体制の構築 コロナワクチンの現状を医師が解説

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東京都医師会理事で「鳥居内科クリニック」院長の鳥居明氏が4月16日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。本格的なワクチン接種に対する、医療提供側の準備体制について解説した。

必要なのは地域に合った接種体制の構築 コロナワクチンの現状を医師が解説

FRANCE - HEALTH - VACCINE ILLUSTRATION PFIZER LABORATORIES=2020年11月18日 Hans Lucas via AFP Photograph by Magali Cohen / Hans Lucas. 写真提供:時事通信社

飯田浩司アナウンサー)年明け前後には、「ワクチンはマイナス70度で運ばなければならない」など、詳しい話がワイドショーなどでも取り上げられて、その体制がまだできていないといったことが言われていました。あれからまだ3~4ヵ月ですが、その体制を組むのは大変ですよね。

鳥居)まだまだ十分ではないのが正直なところです。ただ、できるだけ支障がないように、予約体制、接種体制、人材の問題、場所の問題、費用の問題を含めて、いろいろと準備をしているところです。特に、集団接種、個別接種、それから練馬区が実施した「練馬区方式」……集団接種とかかりつけ医の個別接種をハイブリッド方式で行うものなど、各自治体によっていろいろと違いがあります。それぞれ、万全の準備体制でやっているところです。

飯田)ワクチンそのものも、いくつかに分けて入って来ている最中で、まずは医療関係者の方々の先行接種という形になっていると思いますが、ワクチンの入り具合はいかがでしょうか?

鳥居)まだまだの状態で、私もまだ受けていません。順次入って来て、まず基本型施設……ディープフリーザーというマイナス70度の冷凍施設がある大きい施設に届けられます。さらに連携施設という、いくつかの病院関係に届き、そこで接種が行われるような形です。配給システムなどもいろいろと構築されていて、徐々にできあがっているところです。さらにこのあと、一般の方々が打つフェーズに入ります。まず高齢の方々は、おそらくいまの段階では集団接種が中心になると思いますが、その段階から、今度はかかりつけ医が打つサテライトの医療施設として、いろいろと認可を取って打つような形になると思います。そうすると、かなり打ちやすくなるのではないでしょうか。

必要なのは地域に合った接種体制の構築 コロナワクチンの現状を医師が解説

新行市佳アナウンサー、鳥居明氏、飯田浩司アナウンサー

飯田)先生は、東京都のワクチン接種をどう進めるかを考える委員もされていらっしゃいますが、全体を1つのシステムにまとめ上げるというのは、やはりいろいろなところに気を遣われますか?

鳥居)はい。それぞれの考えがありますし、地域によっての差もあります。23区の都市部と、多摩地区、島嶼部もありますので、東京都でも違いがあります。これが全国になると、もっと差が出て来ますので、それぞれの地域に合ったワクチン接種体制の構築が必要ではないかと思っております。

飯田)一方で通常医療は、いまも昔も変わらずにずっと続いているかと思います。それをやりながらワクチンを打って行くというのは、お仕事としてはどうなのでしょうか?

鳥居)当初は、やはりワクチンは「かかりつけ医の先生のところで打ちたい」というお年寄りの方が多かったのですが、それをやってしまうと、場所によっては通常医療ができなくなってしまう場合もあります。ですので集団接種をしたり、応援の先生に頼んだりする形で、通常医療や検診等々も含めて、維持することが重要ではないかと思っております。

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モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

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