ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月19日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。小池百合子東京都知事のインタビューを中心に新型コロナウイルス対策の今後について解説した。
ワクチンが来るまでは何としてでも感染を抑えなければならない
「飯田浩司のOK! Cozy up!」では、『一都三県知事・河野大臣も登場!新型コロナ変異株から国民を守れ!Cozy専門家会議』と題してそれぞれインタビューを実施。初日の4月19日は小池都知事へのインタビューとなる。
飯田)まず「通勤含め可能な限り、東京には来ないでいただきたい」という発言がありました。あれは危機感の表れであったということでしょうか?
小池)新型コロナウイルスは、世界でワクチン接種が進んでいますが、残念ながら、日本にはウイルスの波は来てもワクチンは来ないのです。そのような、「どうやってこの時間を稼いで行くか」という状況のなかで、「ワクチンが来るまでは何としてでも感染を抑える、そのために協力を」ということで強く呼びかけました。
テレワークを改めて喚起~「働き方改革」にもつながる
飯田)その翌日には、経済界の方々ともお話しされているという報道もありますが、経営者など、各方面への協力というものも必要なわけですね。
小池)そうですね。人流を抑えるという点、そのなかでテレワークをもう一度改めて喚起して行く必要があります。クールビズを始めたときも、最初はそういうことを環境省内でやろうとしていたら、いろいろな人から、「そんなことを言うけれども、上司が認めてくれなければクビになってしまう」という声をいただいたのです。でしたら、北野武さんではないですが『赤信号、みんなで渡れば怖くない』と、つまり一斉にみんなが始めればいいということです。そして「これは気候変動対策として、我が社が取り組んでいる」という経営戦略にすれば、むしろ誇るべきことになるのです。
飯田)そうですね。
小池)コロナ対策をやっていることをテレワークで示すということも、同じ方法ではないかと考えています。「働き方改革」という看板が上がっているではないですか。それを進める絶好のチャンス……コロナをあまりチャンスという言葉に結びつけたくはないですが、ここで変えなければ、日本はいつ変わるのかと思います。
12万軒の都内の飲食店を2人1組で点検し状況を把握
飯田)ある意味コロナを機会としてというご発言だと思いますが、コロナというと、どうしても内向きや後ろ向きになってしまいがちですけれども、一方で、東京が先頭に立って、前向きに「働き方が変わる、世の中が変わる」というきっかけになるかも知れないということですね。
小池)そうせざるを得ないくらい、切羽詰まって来ると思います。いま関西では猛烈な勢いで感染が拡大しています。そのなかで、どうやって感染拡大を防ぐかということで飲食店が注目されたわけですが、時短を8時にしたり9時にしたり、その度にご協力いただいています。かつ、飲食の場でアクリル板はやっているか、消毒はしているか、換気はどうかということにもご協力していただいています。
飯田)時短要請をはじめ。
小池)いま都内には12万軒の飲食店がございます。今回、(まん延防止等)重点措置に入っているのは23区と6市、そこには11万軒のお店があります。山梨云々の話が出ますが、桁が違うのですね。いま2人1組で点検して回っています。そのときにタブレットで、行ったお店で消毒液がどこに置いてあり、どういうアクリル板で仕切られているかということを、すべて写真にも撮り、その上で、1軒1軒がきちんとやっているか、またはこれからやるのか、ということをすべて入力しています。
ゴールデンウィークの過ごし方についても、都として工夫して行きたい
飯田)そうすると、それぞれの店舗の事情などもきちんと吸い上げられると。今後はメリハリをつけて、「ここは優秀にやっているからもう少し長い時間開けていい」などと、より細かく対策を取れるかも知れないということでしょうか?
小池)そうですね。ただ、12万軒で責任を持って対策を取れるかというところは、もう少し状況を見なければ、そう簡単ではないと思います。しかし、今回のまん延防止等重点措置の5月11日までという期間は、ゴールデンウィークが最後の方に入っています。これも、例えば企業の方で有給休暇という形にしていただいて、連続のゴールデンウィークにしますが、ご家族と地域で過ごしてくださいと。遠出などはなさらず、お家で楽しみを見つけていただけるように、都としてもいろいろ工夫して行きたいと思います。
次の飛躍に向けて、どうするべきかを共に考える
飯田)そしてこの先ですけれども、東京オリンピック・パラリンピックがあります。そこに向けて、やはり伸びる前に縮むというのがこの時期ということになりますか?
小池)はい。これをただダラダラと続けて、かつ変異株の猛威にさらされているだけではダメで、自分ごととして捉えていただければと思います。そして、日本経済もコロナによって、いろいろな見直しができていると思います。そういうところから、「いまこの時期は、次の飛躍に向けて、どうするべきかを共に考える」、そういう時間にして行きたいと考えております。
飯田)小池百合子東京都知事にお話を伺いました。ありがとうございました。
小池)ありがとうございました。
ニューヨーク州では飲食店の時間短縮が夜12時まで延長に~飲食店で感染が拡大しているというエビデンスがない
飯田)知事のインタビューをお聞きいただきました。山梨云々というところは、メールもいただいています。横浜市泉区の“さすらいの管理職”さん、51歳の方から。「山梨県は感染が抑えられていると思います。山梨モデルを東京も取り入れる気はないのでしょうか」と。県で独自に認証して、感染対策ができているところは、厳しい自粛や営業時間短縮をせずに営業してよいという認証についてですが、「東京は12万軒もお店があるから山梨とは違う」ということをおっしゃっていました。
須田)1つだけ情報を提供しますと、アメリカ時間の4月19日から、ニューヨーク州では飲食店の時間短縮が、夜の12時まで延長になりました。
飯田)夜の12時まで。
須田)その根拠は「飲食店で感染が拡大しているというエビデンスがない」ということです。派手なパーティーを開いたりすることによっては感染拡大するけれども、時間短縮をしてもあまり意味がないという方向性を打ち出したのです。ですから、世界がこうやって変わって行くなかで、日本だけが営業時間短縮要請だけでいいのかと、もう一度考えてみるべきだと思います。
飯田)特措法でいろいろなことをできるようにするということが、改正のときにも言われていたのだけれども、結局は飲食店だけですものね。
須田)飲食店だけにしわ寄せが来るというのは、やはり納得がいかないのではないかと思います。
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