ワクチン接種対応のネックとなる医療界の“さまざまな規制”
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(4月23日放送)に内閣官房参与・外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に発令される3回目の緊急事態宣言について解説した。
東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に緊急事態宣言~4月25日から5月11日までの方針
政府は新型コロナウイルスの関係閣僚会合で、東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令する方針を確認した。期間は4月25日から、ゴールデンウィーク明けの5月11日までで、4月23日の政府対策本部で正式に決定する(※編集部注:23日夕、政府は首相官邸で新型コロナウイルス対策本部会合を開き、正式決定した)。
飯田)3回目の緊急事態宣言。
宮家)世界レベルで言うと、変異株が急激に増えています。なかなか目処がつかないとなると、やはりワクチンということになるのでしょうね。
飯田)報道が先行するような形になっていますけれども、百貨店や、大規模量販店にも休業要請をするということが出ています。“マチダマチコ”さん、東京都町田市の方から、「百貨店に勤めているのですが、休業になるかならないか早く決めて欲しいです。はっきり決まらないと現場は動けないですから」といただきました。それから、“ゴンタ28ゴウ”さん、57歳のトラックドライバーの方。「酒を悪者にしているような気がしてなりません。私はよく1人でふらっと飲みに行くのですけれども、要は酒を飲んで騒ぐのが悪いのであって、1人で大人しく飲んでいれば問題ないと思うのですけれどね。その昔、暴走族が流行ったころ、高校生をオートバイに乗らせないために行った、『三ない運動』を思い出しました。免許を取り上げられた結果、無免許だとか、免許不携帯で捕まる人が増えただけだったのですよね」ということです。
宮家)酔っ払って、つい忘れて大騒ぎをしてしまうということはあるかも知れないけれど、1人で飲むのであれば、それは大丈夫でしょう。
飯田)そう考えると、お店の形態によっても、カウンターのバーのようなところで、1人客しかいないようなところであればいいような気もするけれど、そういう考えは甘いのでしょうか。
対応エリア11万人に対して、想定接種は1日120人~岩盤となっている医療界の様々な規制を改革するべき
飯田)行政としては、こういうことを性善説を持ってやるということは難しくなっているのでしょうか。
宮家)全体に言えることは、要請の効果がもう限界に来ているということです。かと言って、強制はしたくないわけでしょう。罰則もやりたくないわけでしょう。そうすると、お願いベースでやれることに限界が出て来る。繰り返しこれが続く、ということになってしまうので、やはりワクチンですよ。
飯田)“ハリシゴトニン”さん、大阪市の47歳男性からいただいたのですけれども、ワクチンの接種について、「所属の医師会では大きな会場で行う集団接種と、対応可能な医療機関が行う個別接種の2通りで、さまざまなニーズに答える準備をしているのですが、集団接種の説明会で、1日の想定接種人数が120人ということが発表されています。対応エリアは人口が11万人いて、1日120人。この国難でこのペースは何だと思っているのかと憤慨しています。ぜひ、医師会にお願いや依頼ではなく、強制していただいてもいいと私は思います。文句もあるかも知れません。いろいろ出るかも知れませんが、医療従事者はそのために使命を果たす志があると思うのです」と、現場の方からもこういったご意見があるということで。
宮家)従来の日本のシステムは、医療のレベルを高めるためにも、いろいろな規制をして、そして棲み分けをして、それがきっちりと綺麗に、悪く言えば、岩盤ができてしまっているわけですよ。しかし、平時なら良いですが、有事のときにはその岩盤がネックになるわけです。改革をするためには、どこかできっかけをつくらなければいけないのですけど、いま、この有事の真っ最中にはできないかも知れないけれども、この岩盤を何とかする。そして、これは医師会だけの問題ではなく、関係者全体の問題だと思います。
飯田)河野大臣が言わんとしていた「ものはあるのだけれど、最終的に打つ人が……」ということを考えると。
宮家)去年の話ですが、官僚の中には「総理大臣が言っても聞かない人たちがいる」ということを聞いて驚きました。そういうことなのでしょうか。
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