ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月11日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。日本でも高齢者を対象とした接種が始まった新型コロナワクチン接種について解説した。
菅総理が東京オリンピック・パラリンピックの実現が責務と述べる
国会では5月10日、衆参両院の予算委員会で菅総理大臣と関係閣僚が出席し、集中審議が行われた。菅総理は東京オリンピック・パラリンピックの開催について「国民の命と健康を守り、安全・安心な大会が実現できるように全力を尽くすことが私の責務だ」と述べ、開催を目指す考えを重ねて強調した。
飯田)ワクチンの話など、さまざまなことが議論されました。
奥山)横須賀に後期高齢者になる親戚がいるのですが、オンライン受付をしまして、5月20日過ぎに1回目のファイザー社製の接種を受けるそうです。周りの人間がワクチン接種を受けるという話を聞くと、「いよいよ来たか」という実感が湧いて来ますね。
飯田)私の義理の両親が新潟にいるのですが、すでに2回目の予約を取っていて、6月末には完了するのだということです。各自治体に1ロット以上をまず配るというものがあると。そうすると、人口の少ない地方部の方が早めに終わるということは前から言われていましたけれど、実際そうなのですね。
奥山)そうみたいですね。ツイッターを見ていると、離島ではすでに2回目が完了しているという方も出て来ているようです。
アメリカの学校で起きている「反ワクチン派」と「ワクチン推進派」の闘い
奥山)ワクチンに関して、日本は多数の方が慎重論だと思うのです。
飯田)そうですね。
奥山)「ワクチンが怖い」ということが少し報道で出ていて、日本国内で「早くワクチンを打て」という声があまりなかったのが気にかかっている部分です。慎重論なのですけれど、私は社会悪としての「ワクチン陰謀論」を言う人たちがいると思うのです。わずかな数だとは思いますが。
飯田)ワクチン陰謀論。
奥山)アメリカでは現在、学校が最前線で、「反ワクチン派」と「ワクチン推進派」の闘いの場所になっているのです。
飯田)そうなのですか。
奥山)不思議なことに、フロリダの裕福な家庭の子どもが通っている私立学校らしいのですが、そこで学長などが自らワクチンを拒否して、ワクチン陰謀論が出て来ているのです。なぜか意識高い系のお金持ちの人たちの方が、ワクチン陰謀論にハマってしまうパターンが多いらしいのです。
飯田)意識の高いお金持ちが。
奥山)アメリカの貧しい人たちは子どもを学校に通わせるときに、学校側が「学校に来る条件としてワクチンを打て」ということを昔からやっています。貧困家庭の子たちは意外とワクチンを打っている子が多いらしいのです。
飯田)低所得層が。
奥山)アメリカでは、お金を持っていると自由選択肢が重要になるようです。「自由があるのだから打たなくてもいいよね」ということです。
飯田)「打たない自由だってあるだろう!」と。
奥山)そういうことらしいのです。そうすると、そこに陰謀論が入って来るのです。
日本でも「接種拒否騒ぎ」がムーブメントとして出て来る可能性がある
飯田)特にアメリカ系のワクチンはmRNAなどの新しい概念を使っているものもあります。そうすると「新しいものだから」と慎重になるということですね。
奥山)「遺伝子書き換えなのではないか」とか。酷いものになると「5Gネットワークにつながっている」というのもあります。
飯田)チップが入っているというような。
奥山)日本でも、陰謀論を言う方々がそのような言説を振り撒くことがあるかも知れません。私自身は危機感を抱いている問題です。
飯田)接種したあとに別の疑いで体調が悪くなったり、亡くなってしまうという場合に、「関連があるのではないか」という報道がされてしまうこともあります。実際にアストラゼネカ社製で血栓症が出たということは報告されていますが。
奥山)それはそうですね。デンマークなどでは、一時停止という話にもなっています。ですが、そこは社会全体の話として、推進して行くべきだと思います。アメリカでいまこういう騒ぎになっているということは、これから日本でも、学校レベルまでになるかどうかはわかりませんが、「接種拒否騒ぎ」が大きなムーブメントとして出て来る可能性があるということは、気をつけておかなければいけないと思います。
飯田)お医者さんたちに話を聞くと、やはり子宮頸がんワクチンのときの記憶が鮮明に残っていらっしゃる方が多いので、情報はきちんと出さなければいけないし、「ミクロな例を挙げてセンセーショナルに報道するというのは絶対にやめてください」と言われています。
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