「東京五輪中止」で困るのはIOC~日本は強い立場で交渉するべき

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月11日放送)に地政学・戦略学者の奥山真司が出演。EUがアストラゼネカ製のコロナワクチンを追加注文しないことを発表したニュースについて解説した。

記者会見する国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長=2020年2月4日、スイス・ローザンヌ 写真提供:時事通信社

EUがアストラゼネカ製コロナワクチンを新たに発注しないと発表

欧州連合(EU)のブルトン委員は5月9日、フランスのラジオ局のインタビューのなかでアストラゼネカ社製のワクチンについて、契約が終わる2021年6月以降の追加注文をしていないことを明らかにした。現在EUは、供給の遅れなどを理由にアストラゼネカ社を提訴している。

飯田)ワクチンの特許の話なども含めて、アングロサクソンの国々とその他の国々が対立しているというような解説が付いています。

「オリンピックはフランス語圏の人たちを中心とする貴族がやっている怪しいビジネス」~米ワシントン・ポストで掲載

奥山)これに関して、どうしても私たちが気になるのは、オリンピックとの関連性です。

飯田)そうですね。

奥山)いまのところは一応開催されるという方向性でよろしいのですよね?

飯田)答弁でもそうですね。

奥山)アメリカのサリー・ジェンキンスさんというコラムニストが、ワシントン・ポストに、国際オリンピック委員会(IOC)に対して「とんでもない詐欺集団だ」と書いているのです。

飯田)とんでもない詐欺集団。

奥山)「コストがかからない」とホスト国に持ちかけるのですけれど、結果的には常に2倍の予算が超過していると。IOCのバッハ会長に対しては「ぼったくり男爵」と呼んでいます。

飯田)ぼったくり男爵。

奥山)英語で“Baron Von Ripper-off”と言っています。アメリカのコラムニストが言ったことは何かと言うと、日本ではあまり言われないのですが、「オリンピックは欧州の、特にフランス語圏の人たちを中心とする貴族がやっている怪しいビジネスだ」と。

飯田)貴族ビジネス。

東京五輪・パラリンピックの開催に向けた5者協議で、IOCのバッハ会長(奥)のあいさつを聞く大会組織委員会の橋本会長=2021年3月3日午後、東京都中央区(代表撮影) 写真提供:共同通信社

お金を払う日本はIOCに対して強い立場であるという認識を持つべき

奥山)そういう認識があるのですよね。アメリカ人は欧州の貴族に対する反感があって、「ぼったくり男爵」と厳しく書いて来たのかなと思います。印象深かったのですが、私たちはオリンピックビジネスというものに対して、いまはIOC側に「やる、やらない」ということで、違約金を払うかどうかで揉めそうな雰囲気がありますけれど、私たちもアメリカのコラムニストが言うように、「IOCは腐敗している」ということを日本国内でも認識は持っておいた方がいいのではないかと思います。

飯田)なるほど。

奥山)F1やサッカーなど、欧州の貴族が中心になって行っているビジネスはあります。日本側もIOCなどにお金を払う身なので、そういうものに対して透明性を求めて、「その腐敗を何とかしてくれ」ということを求められるのではないでしょうか。そういう意味では、日本は意外とIOCに対して強い立場であるという認識で、国際交渉を進めていただきたいと思います。

オリンピックが中止になって困るのはIOC~「日本側にも選択肢がある」ということを国際交渉として身につける

飯田)日本が「やめる」と言い出すと違約金が取られるとか、「日本には意思決定をする余地はない」というような風潮がありますが、実際には、「やらなくて困るのはあなたたちでしょう、貴族さんたちよ」というような感じなのですか?

奥山)そうです。IOCの腐敗をこの記事のようにアメリカ側が指摘してくれていますので、日本の政府関係者はこれを有利に使えると思います。確かに「IOCは腐敗している」とよく言われるので、その認識をして、日本側もIOCに「もう少し透明性を」と突っ込みを入れるべきではないでしょうか。「日本側にも選択肢がある」ということを国際交渉として、日本側は身につけておかなければならない部分はあります。

飯田)「透明性」と言えば誰も反対できないですからね。

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