橋下徹「国民も『どうせ五輪できない』と踏んでいるから」“力業”の会長が求められていない現状を憂う

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元・大阪府知事で元・大阪市長の橋下徹氏が2月15日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に生出演。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の後任選びの流れついて、持論を述べた。

日本オリンピック委員会の女性理事増員方針を巡る発言について、取材に応じる東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長=2021年2月4日午後2時6分、東京都中央区(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

混迷の原因はオリンピックのリーダーが誰なのか整理できずじまいだったこと

橋下)オリンピックのリーダーは誰なのかずっと整理できずじまいにきたことが混迷の原因だと思っていて。主催は東京都なのですよね。開催都市で。

辛坊)いま起きているいろいろなことを考えると、やはりオリンピック招致をめぐる難しさというのか、複雑さというのか。そう簡単にオリンピックは連れてこられないので、連れてこようとするとどうしても無理するから。竹田(恒和 JOC前会長)さんなんかがそうだけれども、やはり広告代理店つかって実質裏金じゃないの?というようなお金を流さないと勝てないというようなところが。

橋下)政治とカネの問題ってニュースになっていますけれども、日本の民主国家としてのクリーンな感じ、世界と比べればかなりクリーンで、このクリーンさで世界を相手にオリンピックを持ってくるというのは大変だと。石原慎太郎さんも言っていました。

パリで開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会から帰国し、報道陣の取材に応じる大阪府の松井一郎知事(左)と大阪市の吉村洋文市長=2017年11月19日関西国際空港 写真提供:産経新聞社

世界と勝負するときに日本のクリーンさでは無理

橋下)大阪万博を招致するのに松井さんと吉村さんがものすごく力を尽くしたのですけれども、やはり「お土産」が何か、というのがすごいのですって。あのときアゼルバイジャンとエカテリンブルグが大阪と一緒に争っていて、どこと確定はできませんが招致するときにロレックスを配っていたという。大阪は招致活動でそういうものを配るのはやめようと。それから、委員をこっちに呼ぶときは5つ星ホテルとファーストクラスを用意しなければいけない、というのもやめたのです。だけどそれはみすぼらしいということで経済界がお金を出してくれてランクを上げたのだけれども。でも招致をしようと思ったら現実はそれなのですよ。

日本はものすごくクリーンで僕はいいと思うのだけれども、世界と勝負するときにこのクリーンさでは無理だから、やはり無理をして、こういう人たち、ある意味権限を持っている人たちは結局こうなってしまうのかなと。

辛坊)森さんのような人間でないとまとめきれなかったという意味においては、もしかすると関係があるのかもしれないし。

橋下)国内においてはそれはそうでしょう。

【東京2020オリンピック1年前セレモニー】セレモニーに臨む小池百合子都知事、東京2020組織委員会の森喜朗会長、IOCのトーマス・バッハ会長、安倍晋三首相=2019年07月24日 午後、東京都千代田区  写真提供:産経新聞社

スポーツマンで、多様性があり、改革の旗手で、若くて……そんな人どこに?

橋下)「多様性」とか「改革の旗手」とか「世代交代」とか、そういう意味合いを込めてね、次のオリンピック組織委員会の会長を選ぶというのは正論なのだけれども、あと数か月以内にオリンピックをやらなくてはいけないというときには「力業(ちからわざ)」が必要なので、どっちが重要なの? と僕は思うのですけれどもね。僕は力技派です。多様性とかそういう象徴的な意味合いは開催当初のリーダーである小池さんで十分じゃないかと思うのだけれど。世間(の空気)はもう、会長はスポーツマンで、多様性があり、改革の旗手で、若くてと。そんな人がいるのですか、この世の中に。

辛坊)じゃあどうしたらいいですか、誰にしましょう。

橋下)川淵さんがいま言われている批判って、手続きの問題でしょう。理事会の正式なプロセスがなかったというのなら、後から取り付けたらいいのではないですか。だめですか、無理ですか。

辛坊)でもここまで雰囲気が悪くなってしまうとね。だって、森喜朗さん、不祥事で責任取るという人間が公言しちゃあだめだよね、(後任を)決めたと。水面下で黙って表に名前が出ないような人に耳元で「川淵」って。それで僕は何も言っていません、誰でもいいです、僕は関係ありません、僕は責任取って辞める側ですから後継指名なんてしませんよって言って「川淵」ってしていたらよかった。

橋下)これ辛坊さんの番組だから、僕も無責任に辛坊さんに責任なすりつけて全部言いますけれども、世の中がきれいごとすぎるというか、現実を知らなさすぎる。巨大組織の人事をやるときにね、まったくの白紙の状態でオープンでクリアに透明性を確保して人事をやるなんてあり得ないです。だって、候補者選んでいってですよ、この人に絞って決めたという後に、お願いしに行って断られたらどうするのですか。

こんなの初めから候補者とかね、ある程度決めておいて、手続きに乗せるというのが。これは僕が大阪府知事のときにあらゆる人事をやりましたが全部そうですよ。それを森さんと川淵さん、ワンマンおじさんたちがペラペラ言ってしまっているから大失敗。全部決まった後にちゃんとやればいいのに。

辛坊)そんなことを言ってしまったら反発招くってわからないのかな。

著書『独裁力』を出版した際、ニッポン放送『土屋礼央レオなるど』に出演した川淵三郎氏 2017年3月13日

川淵さんは、いい意味でのワンマンおじさん

橋下)それが、森さんと川淵さんはある意味そのワンマンの「力業」で、やはり社会人のサッカーをプロ化するって大変ですよ。ラグビーをプロ化するのも本当に大変で、完全にプロ化はできなかったのです。川淵さんがどれをやり遂げたのは、やはりいい意味でのワンマンおじさんなのですよね。

それをずっと許していた、オリンピックの組織委員会の理事会ですよ。森さんも川淵さんも理事会の存在なんかまったく気にしていないわけ。そんな理事会が決められると思いますか。選任するのであれば理事会のメンバーからまず変えないと、そもそもああいう森さんを止めることができずに放置していたような、ガバナンスが効いていない理事会。川淵さんもあんな風に理事会なんか無視している。その理事会がちゃんとして候補者を選ぶなんてちゃんちゃらおかしいけれどね。それをいちからやるのであれば、理事から何から全部変えないといけない。理事を変えようと思ったら評議委員会をもう1回開かなければならない。評議委員会も機能していなかったのならば評議委員会も入れ替えなければならない。そんなことをやっていたらもう3月のオリンピックの判断終わっていますよ。

だから僕は、ここはオリンピックをやるという目的なのであれば、もう川淵さんとかとにかく裏方でやってもらって、多様性とかの象徴性は小池さんがやったらいいと思います。それをやらないと乗り切れないと思うのだけれども。これは現実的すぎですか。

「オリンピック、どうせできない」というふうに国民も踏んでしまっていて、だからもう本気の会長人事というのを求めていない。僕はちょっとぎりぎりのところまでオリンピックを模索してもらいたかったから、本当に力のある人をここに据えなければと思っていたのですけれども、やらないとなるのであれば「誰でもいいよ」と、多様性とかなんとかを取るのであれば、そっちにいっちゃうのかな。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分

番組HP

人気ニュースキャスター辛坊治郎が政治・経済・文化・社会・芸能まで、今日一日のニュースの中から独自の視点でズーム!し、ニュースの見方や本質を解説。リスナーが「なるほど」と感じるニュースワイド番組です。番組ハッシュタグは「#辛坊治郎ズーム」です!

[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月-木)/飯田浩司アナウンサー(木)

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