落語家の立川志らく氏が5月24日、自身がスペシャルパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。慶応大学名誉教授でパソナ会長の竹中平蔵氏の「世論は間違ってる」発言について異論を唱えた。
読売新聞が6月4~6日に実施した全国世論調査によると、東京オリンピック・パラリンピックについて、「開催」が50%、「中止」は48%だった。中止を求める声は先月の調査から11ポイント減った。また菅内閣の支持率は37%となり、去年2020年9月の内閣発足以降、最低となった。
志らく)オリンピックの「開催」が少し増えた、これは読売新聞だから、また新聞ごとに(調査結果は)違うかもしれないのだけれども。
辛坊さんがずっと司会をやっていた関西のテレビ番組『そこまで言って委員会』(読売テレビ)、私も最近よく呼ばれて。それで、(6月6日放送分の内容が)ちょっとニュースになっていました、竹中平蔵さんの言葉。私との会話のなかで出てきた言葉なんだけど、びっくりしましたね。
森田耕次解説委員)志らくさんが竹中さんに、「世論の多くが『オリンピックは中止だ』って言ってる。世論が間違ってることなんですか?」って聞いたんですよね。
志らく)「世論は間違ってる」……それは言い過ぎたようで、途中から「世論は移り気」だって、おっしゃったんですけども、これ、名言ではあるんですよ。「世論は間違える」っていうのは、過去の歴史見てきたら、世論って間違えることが本当にある。世論ってのは本当に移り気でね、変わってしまうっていうことがあるんだけども。
でもそれは全てが終わった後検証して、「あのときの世論はおかしかった」あるいは「政治的判断はおかしかった」って検証して出てくるのに、その真っただ中に、「世論は間違えることがあるから、だから今回『オリンピック反対』って言ってるやつは馬鹿なんだ。オリンピックはやるんだ」って言われたら、じゃあこれは、“独裁”に繋がるんじゃないの。竹中さんは「世論が間違ってる」ってどこ目線で言えるのって。いや、科学的データ全部並べて「世論が間違ってる」って言えばいいけど、感情で「世論は間違ってんだ」「間違えることはあるんだ」。それで、「オリンピックっていうのは世界的なものだから、日本の国内事情で中止するなんておかしいんだ」と……
森田)「世界に対してやると言った限りは、やる責任があるんだ」ということをおっしゃってるんですよね。
志らく)やる責任はあるんだけれども、パンデミックだからやらないという選択を取ることだって大事なことだし。記事にはなってなかったけど、「スペイン風邪のときにオリンピックやったんだから今回もやるんだ」って、その精神論はまったく時代背景も違うし、それはやっぱり全部感情論できてるんじゃないかなっと思って、これおかしいな。だから私はちょっとびっくりしましたね。
「世論が間違ってる」というならね、「こうだから間違ってると僕は思いますよ、だからみなさん、オリンピックはこうこうこうで、こうなるからやりましょう」なら分かるけど。「世論は馬鹿だ」「世間は馬鹿だ」じゃあ世論調査なんてなくていいじゃないかということになる。
森田)分科会の尾身茂会長が「専門家としての判断を出す」って言ってましたんで、そういったところも一つの判断材料ですよね。
志らく)私、真っ当なこと言ってると思うんだけど。
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番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)