欧州を押さえられなかった中国の痛手~G7サミット「台湾海峡の平和と安定」を明記

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月15日放送)に作家で自由民主党・​参議院議員の青山繁晴が出演。台湾海峡の平和と安定の重要性が明記されたG7サミットの首脳宣言について解説した。

台湾の蔡英文総統(台湾・台北)=2020年8月12日 EPA=時事 写真提供:時事通信

G7サミットで明記された台湾海峡の平和と安定の重要性

主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)の首脳宣言で、台湾海峡の平和と安定の重要性が明記されたことについて、台湾総統府は日本時間6月14日未明、「具体的な表現で地域の平和と安定への高度な関心が再び示された。G7各国の台湾への揺るぎない支持に心から感謝する」との報道官談話を発表した。

飯田)日米首脳会談や、G7外相会議でも盛り込まれた文言が踏襲されたという形になっています。

「一帯一路」を通じてテコ入れして来たヨーロッパが、このような首脳宣言になるということは中国にとって大きい

青山)中国共産党、それから習近平国家主席にとって大きな打撃だと思います。私の知る限りでは、G7の前に、中国は特にヨーロッパに対して徹底的な工作活動をやって、G7の首脳宣言に「台湾」という文字が入らないようにしようということをやって来たのですが、無駄に終わったわけです。

飯田)ヨーロッパに対して。

青山)日本の報道では「フランスのマクロン大統領がG7を中国に敵対するクラブにしてはいけないと言った。だからフランスやイタリアは日米に比べて、対中性が甘くて足並みが乱れている」というものがほとんどなのですが、実際はその逆と言っていいですよね。あれほど「一帯一路」を通じてテコ入れして来たヨーロッパが、このような首脳宣言になるということは中国にとって大きいです。

飯田)そうですよね。

青山)台湾ではなく「台湾海峡」と書いてあるのは、そこは緩やかにしようという部分があるのです。ただし、背景には米軍首脳がアメリカの議会で公然と「6年後、あるいは6年以内に台湾が攻撃される」と言っているのです。6年後というのは、西暦で言うと2027年ですが、中国の解釈で言うならば、いまの中国軍の建軍100年に当たるのです。それに合わせて台湾海峡を渡ろうとするのではないのかと。

飯田)建軍100年に合わせて。

青山)実際は中国は強かなので、兵隊を乗せた船で台湾海峡を渡ろうというよりは、軍部がその国の法律を都合よく変える法律戦や、その国の国民や政治家の心理を操る心理戦、その国の世論を中国寄りにする世論戦を軍部が掲げて実際にやっています。台湾についても、すでに台湾のなかには、中国共産党に近い勢力が乗り込んでいるので、そのようなものを動かして事実上、武力を一部で使いながらも、統一を図ろうとする可能性も高いです。

「台湾海峡で中国が軍事的に動けば、米軍だけでなく、ヨーロッパも来るぞ」という強烈なメッセージ

青山)台湾海峡をわざわざ渡ってアメリカの第7艦隊、場合によっては日本の海上自衛隊の後方支援も含めて、その餌食になることをするとはあまり思えません。しかし、習近平国家主席は共産党のなかでかなり孤立気味です。腐敗追及で次々とライバルを失脚させて、自派は腐敗が止まらないという見方もあるので、軍に頼むしかありません。軍部はどこの国でも勢力拡張を図る、存在理由を探そうとするので、台湾海峡は実は軍事的に大きな焦点になっているのです。その台湾海峡を名指ししたということは、G7が最近イギリスの空母などをこちらに向けて来たり、フランス軍が日米仏の陸上演習をやったりするように、台湾海峡で中国が軍事的に動くと米軍だけでなく、日本は後方支援で、さらにヨーロッパも来るぞ、という強烈なメッセージなのです。サミットでこのようなものが出るというのはかつてないことです。

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