ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月18日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。香港警察が「リンゴ日報」の男女5人を逮捕したというニュースについて解説した。
「リンゴ日報」の男女5人が逮捕
香港警察は6月17日、中国に批判的な論調で知られる香港紙「リンゴ日報(蘋果日報)」の編集部門トップや経営部門の幹部ら男女合わせて5人を、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法に違反した疑いで逮捕したと発表した。リンゴ日報が2019年から30回以上にわたり、記事などを通じて外国の組織などに対し、中国や香港の政府に制裁を科すよう呼び掛けたとして、外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えた疑いがあるとしている。
飯田)このタイミングで逮捕というところはどうですか?
香港を元に戻すのは難しい
宮家)特別なタイミングがあるのではなくて、中国がやるべきことは2020年に既にやったので、それに従って今も粛々と行っているということです。残念ですが、これを元に戻すのは非常に難しいと思います。
飯田)G7の直前に、民主活動家のアイコンの1人でもある周庭(アグネス・チョウ)さんを釈放することがありましたが。
宮家)釈放後も彼女は黙らざるを得ないですよね。次の訴追が待っている可能性があるわけですから、迂闊なことは言えないですし、我々も迂闊なことは言えないですよね。
これからの中国の動きをよく見なくてはいけない
飯田)G7サミットでも中国包囲網のようなものがあり、NATOも中国を名指ししています。この環境のなかで中国は、むしろはねのけるように強気に出るのですか?
宮家)1930年代の日本のメンタリティと今の中国は「どこが違うか」を、よく見ないといけないと思います。当時の日本のように、何でもかんでも「鬼畜米英だ」などと反発するのではないでしょう。、中国はもっと賢いと思いますし、真珠湾攻撃のようなことはやらないと思います。しかし、国内であれだけナショナリズムを煽って権力を集中した以上、国民の間に相当不満があってもおかしくないところで、ああいう仕打ちを外国からされると、世論も黙っていないし、政権の面子も立たない。そのときに本当に「暴発するかしないか」という議論はよくしておいた方がいいと思います。近巷では「米中戦えば」という話によくなるけれども、そんなに簡単には起きないと思います。ですから、そこをよく見なくてはいけない。非常に重要な時期にこれから差し掛かって行くだろうと思います。
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