GWでデータが出ている「旅行での感染リスク」 東京都医師会理事が解説

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東京都医師会理事で河北総合病院・理事長補佐、心臓血管外科医の新井悟氏が7月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。夏休み中の感染への懸念について解説した。

GWでデータが出ている「旅行での感染リスク」 東京都医師会理事が解説

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

感染者の60%が感染経路不明

飯田浩司アナウンサー)新井さんが務める杉並区の河北総合病院は、新型コロナウイルス感染者の治療を行う最前線です。感染経路なのですが、傾向などはあるのですか?

新井)東京の感染者の方たちをモニタリングしているところなのですが、感染経路がはっきりしている方は4割弱で、60%くらいの方が感染経路がはっきりしない、不明という方なのです。特に20~60代の方は感染経路不明の方が60%以上になっています。

飯田)現役世代ということですかね。

新井)そうですね。活動が活発な方たちと言い換えてもいいかも知れません。

夏休みの帰省で地方にウイルスが移動する懸念が~GWには首都圏からの移動で感染者が増えている

飯田)本格的な夏休みシーズンがこれからやって来ますけれども。

新井)1つ参考になるのが、この前のゴールデンウィークのデータです。首都圏には緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が行われていたのですが、首都圏から県を跨いだ移動をして、北海道や沖縄、広島や岡山などに旅行をされた方が実際にはいました。人流のデータもあるのですが、ちょうどそのカーブに合わせて、それぞれのところで感染者が増えています。首都圏からウイルスが地方に拡散したということです。これから夏休みで学校が休みになる。大学も休みになって帰省される方もいらっしゃいますし、お盆で故郷に帰って親戚の方に会うということもあると思います。そういう形で、また地方にウイルスが移動するという心配があります。

GWでデータが出ている「旅行での感染リスク」 東京都医師会理事が解説

新井悟氏、飯田浩司アナウンサー

出張よりも旅行での移動の方がリスクは高い

飯田)普段気をつけている人でも、旅行となると、行動が変わるなどの影響があるのでしょうか?

新井)国立感染症研究所の先生が、厚労省のアドバイザリーボードで発表されたデータを見ますと、国内旅行の場合、出張以外で行った際に感染のリスクが高くなるというデータが出ています。会食や飲酒について調べますと、会食を過去2週間のうちに2回以上やった場合には、感染リスクが高くなり、さらにお酒が加わると、よりリスクが高くなるというデータがあります。

ワクチン接種をしても感染する場合もある

飯田)ワクチンの接種が進んで来ていますが、接種をしたとしても、人に感染させてしまうリスクを完全に低減させるものではないと理解しておいた方がいいですか?

新井)もちろんリスクは低くなるのですが、ゼロにはなりません。実際、私たちの病院にも、ワクチンを打ったあとに陽性になって入院されている方がいらっしゃいますので、完全に気を抜くことはできません。従来の感染対策を続けていただかなければいけないと思います。

飯田)そうするとマスクや手洗い、あとは人との距離を取るというところですか?

新井)おっしゃる通りです。3密は、人と人との接触を避けると言い換えることができます。去年(2020年)のいまごろは「ソーシャルディスタンス」、「フィジカルディスタンス」という言葉が言われていましたが、最近はなかなか言われなくなってしまいました。また原点に戻って、人と人との距離を保つということが大事だと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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