ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月20日放送)にジャーナリストの有本香が出演。東京オリンピック開会式の楽曲制作担当であるミュージシャン・小山田圭吾氏が辞任したニュースについて解説した。
オリンピック開会式の作曲担当、小山田圭吾氏辞任で楽曲使用中止
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は7月19日、東京オリンピックの開会式で楽曲制作を担当するミュージシャン・小山田圭吾氏の辞任を発表した。小山田氏が担当した開会式のオープニングの楽曲は使用しないという。小山田氏は過去に雑誌のインタビューで学生時代のいじめについて告白していたことが問題となり、辞任を申し出ていた。大会組織委員会は当初、小山田氏を続投させる方針だったが、武藤事務総長は19日夜、「誤った判断であると考えるに至り、辞意を受け入れることとした」と、一転して辞任を認めると発表した。
小山田氏をスクリーニングしなかったことが問題
飯田)開会式の楽曲担当は4人いて、そのうちの1人だということです。
有本)そうですね。ただ、たまたまこの方の担当パートは冒頭の4分間なのです。4分は長いですよね。
飯田)長いですよね。大事ですよね。
有本)「だから外せないと思った」と。その判断が甘かったと武藤事務総長はおっしゃっています。しかし、この人のこの問題というのは、いままでも何度かいわゆる炎上していることですよ。
飯田)有名だったという話ですよね。
有本)だとすると、これをスクリーニングしなかったということが、そもそもの問題だろうと思います。
小山田氏に依頼したのは3月の終わり~辞任が相次ぎ引き受けてくれる人材を見つけることが難しかった
飯田)楽曲担当の1人であることが発表されたのが7月14日です。その段階からもう。
有本)この人に楽曲制作を依頼したのが、3月の終わりくらいだということです。
飯田)直前ではないですか。
有本)去年(2020年)の年末くらいに、開会式や閉会式を演出するということで名前が出ていた方々が辞めるということがありました。そういうことが尾を引いて、なかなか人選ができない状況になっていたらしいのです。
飯田)規模の面なども含めて。
有本)規模を縮小する、それによって、当初予定していたものを大幅に変更しなくてはならない。全体を見る人も必要です。もう新たに選任するのは難しいということで、ある方がなることになった。何とかまとめなくてはならない、ということなのですが、コロナ前は開会式などの演出、あるいは楽曲等々に関わりたいという人が多かったのですけれど、こんな状況になってしまって、引き受けてくれる人を見つけることが難しかったというのを仄聞(そくぶん)しています。
飯田)なるほど。いろいろ声をかけたけれども、今度はみんなに断られてしまったと。
これは障害者虐待~なぜ彼のような人に頼んだのか
有本)そうですね。そして3月くらいになってしまったのだろうということです。それにしてもですよ。「学生時代のいじめでしょう」と受け取る方もいるかも知れない。しかし、外国メディアの報道を見ても、日本語の「いじめ」という言葉は、状況を誤って理解させてしまう表現です。これは、はっきり言って障害者虐待ですよ。あるテレビ番組でも、実際に彼が学生時代に何をしたのかということをパネルに列記してあるのだけれども、アナウンサーが読み上げないのです。つまり性的虐待も含めて、音声に乗せて放送できないような内容なのです。しかも、それを成人してから何回もインタビューで武勇伝のように語っているのです。そのような人に檜舞台の上に立っていただくというのは、さすがに問題がありますよね。それだけ情報があったはずなのに、どうしてそういう判断ができなかったのかと思います。
関係者の「痛恨の極み」
飯田)「過去に~」とか「時代の~」などと言う人がいるけれども、それは違うだろうと。
有本)まったく的外れです。
飯田)本人がこれまでに謝罪をするなり、反省をするなりということを社会的に表明しているならまだしも、いままで二十数年間、笑い話にして来たわけですからね。
有本)何度も笑いものにしているわけでしょう。スクリーニングできなかった問題もあるけれど、「みんなで過去のことを叩くのはよくないよ」というような話に持って行くのは、さすがに筋が違っています。オリンピックで「こういう人を人選してしまったことは、痛恨の極み」と関係者は思わないといけません。
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