バイデン政権の「2つの問題点」~発足から半年が経過
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月20日放送)にジャーナリストの有本香が出演。発足から半年が経過した米バイデン政権について解説した。
バイデン政権発足から半年
アメリカのバイデン政権が発足してから7月20日で半年を迎えた。
飯田)半年で何をやって来たか。そして、これからというところです。日本と絡むところで言うと、対中国政策等々ということになって来ますが。
有本)対中国政策は、それほどトランプ政権のときと変わっていません。「頑張っているではないか」という声と、「結局トランプさんたちの敷いた路線をそのまま継承しているだけではないか」と厳しい評価をしている人もいます。
人権問題に厳しく対処するブリンケン国務長官
有本)ブリンケン国務長官は元官僚でしょう。
飯田)そうですね。オバマ政権時代に国務副長官をやっていらした。
有本)国務副長官のときは、ケリーさんとも上下関係があったので、何となく同じイメージで見ていたのですけれども。ケリー元国務長官よりは中国にも厳しいし、人権問題に関してはユダヤ系ですので、ご自身の背景もあり、厳しく対処して原則論を貫いていますよね。そこは評価できるところではないかなと思います。
悪くなっている雇用状況
有本)ただ、いまはアメリカ国内で一応、5割以上の支持率があるとされていますけれども、もうすでに雇用状況は悪くなっています。
飯田)失業給付等々もやったお陰で。
有本)支持率の数字は保っているけれども、雇用の回復は厳しいのではないでしょうか。
飯田)給付が潤沢過ぎて、人々が働きに行かないというようなところもあるようですが。
有本)そのようなことも言われています。これが雇用回復に結びついて行かないと、今後、徐々に支持が離れて行くのではないかと思います。
できていない不法移民対策
有本)それから、大統領選挙のときからずいぶん問題になっていましたけれども、不法移民対策です。これは全然、対策していないように見えます。悪化していますよね。
飯田)不法移民が約19万人ということで、過去20年間で最多。
有本)最悪でしょう。そうするとアメリカ国内の治安はまた悪くなりますよ。20年前と比べても、「え、ここが」というような町の治安が悪くなっている感じはありました。それとアメリカの場合、州ごとにずいぶんカラーが違うではないですか。リベラル系の首長、あるいは議会でも多数派を獲っているところは、寛容政策と銘打った、いろいろな規制を緩めてしまうということで、それが治安の悪化に結びついているケースがあります。この辺りをどうして行くのかということです。
治安悪化するシアトル、ポートランド
飯田)大統領選の最中、日本ではあまり報道されませんでしたが、シアトルやポートランドで。
有本)ポートランドやシアトルというのは、そこまで治安の悪い街ではなかったですけれどもね。
飯田)彼らは「解放区」という名前を付けましたけれども、警察も入れないような状況です。
有本)勝手に、自治区をつくってしまっているようなところであったり。
飯田)治外法権化してしまったというのが。
有本)ドラッグがまん延していて、地域によっては事実上、ドラッグを合法化してしまったところもあるようです。この辺りを今後どうして行くのか。
国境地帯にも行かないカマラ・ハリス副大統領
有本)それから不法移民に関して、カマラ・ハリス副大統領が担当するということでしたが、なかなか国境地帯にも行かないので、みんなに。
飯田)「いつ行くのだ」と。
有本)顰蹙(ひんしゅく)を買ったりしていましたから、本腰を入れるのかどうか。入れないだろうなという。
飯田)支持基盤の左派からしたら。
有本)「入れるな」ということなのでしょうね。
飯田)でも国を統治するということを考えると、本腰を入れなければ、国が悪くなって行くと思うのですが。
経済の悪化や雇用状況が回復しなければ、外交に転化することも
有本)そういう点で、これからの状況というのは、不透明感があるなと思います。日本にとっては、特に悪いことはないのですが。
飯田)不法移民に象徴されるような、党内の左派と、穏健派と呼ばれるような人たちとの綱の引っ張り合いが、外交に影響することがあると、よくないですよね。
有本)いずれ来ますよ。経済が悪くなったり、雇用状況が回復しない状況が続くと、外交に転化されるということはあります。
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