自民党総裁選の日程と緊急事態宣言期間の関係性
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月25日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。8月25日に行われる菅総理と二階幹事長の会談について解説した。
菅総理と二階幹事長、8月25日に会談へ
自民党の二階俊博幹事長は8月24日の記者会見で、菅総理と25日に会談することを明らかにした。総裁選や衆院解散の政治日程について協議するものとみられる。
飯田)また総裁選に関して、二階派として総理再選を支持すると明言しました。派閥単位での態度表明は初めてです。まず先手を打って来たという感じですか?
高橋)水面下はわかりませんが、幹事長ですからね。それぞれ派閥の人とも菅さんはやり合っているはずです。しかし、どうであれ、最初に幹事長と会うではないですか。最初に言わざるを得ない。だから、どういうポジションかというのが重要なのです。先に言ったということでしょうね。細田派と麻生派もだいたい一緒なのです。その辺りは水面下で、ある程度は話が進んでいるのかも知れないなとは思いました。
自民党総裁選~9月17日告示、29日投開票か
飯田)総裁選の日程についても、26日に確定するということですから、まだまだ流動的なのかも知れませんが、一応、9月17日告示で、29日に投開票と。
高橋)17日ということ自体が政治的です。緊急事態宣言に他の地域が追加されました。でも全部9月12日までなのですよね。
飯田)そうですね。新たに北海道、宮城など8道県が追加されましたが、期間は9月12日までです。
高橋)12日までということは、まだ少しフリーハンドがあるということです。一般論として言うと、緊急事態宣言の間は何かをしづらいですよね。ただ、パラリンピックが9月5日までだから、当初の思惑であれば、6日くらいから臨時国会というような、政治的な動きをする予定だったのです。それで早く解散総選挙をする。臨時国会を開けば解散総選挙がいつでもできてしまいますからね。そういう予定だったと思うのですが、さすがにこの時期になると、それが難しい。先日(8月22日)の横浜市長選で、もう政局が始まってしまったという感じがしますけれどもね。
解散はワクチン接種が進んだあとに
飯田)そうすると、前々から言われていた総裁選の前に解散を打つという話は。
高橋)スケジュール的にやりづらくなったのでしょうね。論理的には総理の専権事項だからあり得るのでしょうけれども、そうなると菅下ろしなど、逆風が吹く可能性もあるので、その話はしづらい。ワクチンが順調に進んでいますので、ワクチンを打って、そのあとにという方が無難になって来ました。
支持率と新規感染者数は連動する~新規感染者数がある程度抑えられてから解散を打ちたい
飯田)菅さんの戦略としては、いま支持率低迷ということになっていますが、低空飛行から上がりつつあるところで解散を打ちたい。
高橋)それはそうでしょうね。支持率と新規感染者数は連動しているのです。死者も少ないので、大したことはないという意見もありますが、結果的に新規感染者数が支持率に連動しているのは事実です。そうすると、その数を抑えてからだと思います。東京のデータを見ていますと、そろそろ伸びに鈍化が見えているのです。
飯田)ピークは越えつつある。
高橋)越えてはいません。まだ伸びているのだけれど、それが鈍化しているのです。数学の表現ですと、1次微分はプラスだけれど、2次微分は少しずつ変化しているという、そんな感じなのです。9月12日というのも、そういう状況を見ながら設定した日にちなのではないかと思います。
党員・党友投票を行う「フルスペック」の総裁選をやるのかどうか
飯田)党員・党友投票を行う「フルスペック」の総裁選をやるのかということが取り沙汰されていますが。
高橋)そこもポイントです。フルスペックかどうか。ただ、17日告示の29日投開票ということであれば、フルスペックがどこまでできるのかというのもあります。
飯田)それも感染状況との見合いであったり。
高橋)もちろんそうでしょう。それが誰を選ぶかということにも関係します。いまのところいろいろな人の名前が挙がっていますが、これから17日まではいろいろな話が出て来ると思います。
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