黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(9月6日放送)に東京五輪フェンシング・エペ団体金メダリストの加納虹輝と日本フェンシング協会会長の武井壮が出演。東京五輪で金メダルを獲得したエペ団体について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月30日(月)~9月3日(金)のゲストは東京五輪フェンシング・エペ団体金メダリストの加納虹輝と日本フェンシング協会・会長の武井壮。1日目は、金メダルを獲得したエペ団体について---
黒木)改めまして、加納選手、金メダル獲得、おめでとうございます!
加納・武井)ありがとうございます!
黒木)逆転での優勝でしたが、いかがでしたか?
加納)「逆転した」という気持ちはそれほどなくて、自分のやることに集中していたら勝ったという感じです。
黒木)夢中でやっていたら勝っていたと言う感じですか?
加納)東京オリンピックのときに関しては、夢中にやっていたら勝っていたという感じです。
黒木)それだけ集中力があったということですね。
武井)最初の試合でピンチを迎えたのです。そこで僕も、会長ながら「あ、終わった」と思ってしまいました。ところが、そこからとてつもない集中力で逆転しました。そこからは強豪を打ち破りました。世界ランキング1位のフランスを倒しての優勝だったので、とても価値のある世界一だと思います。
黒木)武井さん、決勝はどのような思いで観ていらっしゃいましたか?
武井)まだ会長に就任して1か月くらいのときだったので、「まさかオリンピックの決勝まで観られるとは思わなかった」と言う気持ちでした。そのスポーツの協会の会長としてオリンピックで金メダルを獲るところを目の前で観ることなど、なかなかできないではないですか。
黒木)武井さん自身も、陸上十種競技で素晴らしい成績を残していらっしゃるではないですか。会長としてフェンシングをサポートするということは、やはり違いますか? ご自分がやられているときとは。
武井)これほど裏でスポーツを支えるためにいろいろな仕事をしているのだな、ということを痛感しています。でも、選手たちの活躍によって、これほどその仕事が報われるのだということも、同時に感じています。最高の選手に恵まれて最高の船出になりました。
黒木)素晴らしいスタートを切られましたね。加納選手たちのご活躍があってこそなのですが。生活は変わりましたか?
加納)これほどメディアに露出することは、いままでありませんでした。そこがいちばん変わりました。
黒木)武井さんが就任なさってから、よりメジャーなスポーツに持って行くということを掲げてなさっていたと思いますが、これからですね。
武井)いままでは、こういう力があるにもかかわらず、世の中の人がそれほど目を向けていない競技だったので、メディアで活動している僕が就任したことで、このように選手と一緒に出演することもできるし、選手たちをいろいろな番組に紹介することもできます。全国に人に顔と名前を憶えていただいて、彼らの素晴らしい技術を世の中の人に見ていただける数を増やして行きたいですね。それが僕らの仕事だと思っています。
黒木)武井さんは世界最強の百獣の王ですからね(笑)。
武井)頑張りたいと思います。
黒木)「ENEOSサポーターズ」のサポートリーダーも担当されました。課題はたくさんあったと思いますが、ご自分のなかではどのような活動をされたのでしょうか?
武井)ENEOSサポーターズでは、パラリンピックのPRを主に担当させていただいています。大会開催には賛否両論あったのですが、パラアスリートの皆さんが、この5年間培って来た、人生を変えるための力を世の中の多くの人に、地球上のたくさんの人に観ていただいて、社会的な価値を手にしていただけるように、全力でPRさせていただきました。大会も開催できることになり、彼らが輝ける場所を手に入れられたということが、何よりの喜びです。
加納虹輝(かのう・こうき)/ 東京五輪フェンシング・エペ団体金メダリスト
■1997年・愛知県出身。日本航空所属。
■2008年北京五輪のフェンシングをテレビ観戦して興味を覚え、小学6年生からフェンシング(フルーレ)を始める。
■高校時代に、遊び半分で出た「エペ」の大会で優勝し、「フルーレ」から転向。
■エペ選手としては小柄ながら、フットワークと素早い剣さばきを強みとし、2017年のワールドカップで3位。2019年にはワールドカップで優勝。世界選手権で6位など実績残し、東京オリンピックの代表選手に選ばれた。
■2021年に開催された東京オリンピックでは、フェンシング男子エペ団体に出場。(*ほかのメンバーは、山田優選手、宇山賢選手、見延和靖選手)
■東京オリンピックでは、準々決勝で世界ランキング1位のフランスを撃破。 42対44とリードを許し、あと1ポイントで敗戦というピンチに立ちながら、 アンカーである加納選手の粘りで、45対44と逆転勝ちを収めた。
■準決勝は韓国に45対38と勝利。決勝戦ではROS(ロシアオリンピック委員会)に45対36で勝利。加納選手は日本のアンカーとして最後のポイントを獲得した。この競技での金メダル獲得は史上初。歴史的快挙を成し遂げた。
武井壮(たけい・そう)/ 日本(にほん)フェンシング協会・会長
■1973年生まれ。東京都葛飾区出身。
■大学3年で十種競技をはじめ、競技転向わずか2年半で日本陸上優勝。日本チャンピンオンとなった(十種競技100mのベスト記録は今も日本最高記録)。
■大学卒業後、陸上を引退し、アメリカにゴルフ留学。
■その後は、陸上・競輪・ゴルフ・プロ野球選手などの個人トレーナーとして活動。
■2005年には、萩本欽一氏が監督を務めた茨城ゴールデンゴールズにも入団。
■数々のスポーツの経験を活かし、「地上最強の百獣の王を目指す」と豪語。
■もちろん現在も日夜トレーニングを続け、世界マスターズ陸上などに出場し好成績を残している。2015年には世界マスターズ陸上の4×100mリレーの日本代表のアンカーとして出場し、金メダルも獲得。
■2021年6月19日、日本フェンシング協会の新会長に就任。
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