「無縁仏の霊」と「現場に無かったはずのタオル」
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芸人であり手相占い師である島田秀平がパーソナリティのポッドキャスト番組「島田秀平とオカルトさん!」(ニッポン放送 Podcast Station ほか)の9月3日の配信回で、2つの「怪談」が語られた。
同番組では、4人の若手芸人による怪談No.1決定戦『SOSグランプリ』を開催。今回は、惜しくも決勝進出を逃した「シュテンドウジ」の上田遼馬と、「世界事情」の阿部剛による“エキシビションマッチ”が行われた。
先手・上田遼馬は、地元・大阪の知り合いが体験した恐怖体験を語った。
上田:大阪の知り合いにお坊さんがいまして。彼がお寺に泊まり込みで修行していた時に体験した話です。
島田:はい。
上田:毎日、写経をしたり、座禅を組んだり、礼儀作法を学んだり、修行に打ち込んでいたそうなんですね。ある日、そのお寺の住職さんから「本堂の番をしてくれないか」と言われたんです。
島田:本堂の番というのは?
上田:夜、本堂に布団を敷いて、寝泊まりをしてほしい……という事なんですね。住職さんからは「自由に過ごしてもらっていいんだけど、1つだけ守ってほしい事があります。本堂に入って正面の壁にある無縁仏のお骨に足をむけるのはやめてください」と言われたそうなんです。彼はその教えを守って“無縁仏に頭をむけて”本堂に泊まったんですね。深夜2時ぐらいになって、頭の方から「コト、コト……」という音が聴こえてきたんです。
島田:頭の方ということは、無縁仏がある方向ですね。
上田:はい。「なんだろう?」と思って確認しようとしたんですけど、金縛りにあって体が動かなかったんですね。目だけでそちらを見ようとすると、髪の長い女性の影が近づいてくるのが見えたんです。
島田:それは明らかにこの世の人ではない……という事ですか?
上田:そうですね。姿は見えるけど、真っ黒な影で顔は見えないんです。その影が上から覗き込むような形になり、彼の胸元をぐーっと手で押し込んできたんですね。
島田:えぇ!?
上田:抑え込まれた彼は、息苦しさよりも激痛に襲われて「このままでは危ない」と思ったそうなのですが、本堂の外で物音がしたのをきっかけに、その影がすぅっと消えていったんですね。ちょうど外回りをしていたお坊さんが帰ってきたところだったんですね。
島田:そのお坊さんが帰ってこなかったら、危なかったわけですね。
上田:そうなんです。そんな怖い目にあった彼は住職さんに報告したんですね。どの方向から女性の影が出てきたのか……調べてみたら、無縁仏の骨壺に変なところがあったんです。
島田:変なところ?
上田:普通、骨壺はしっかりと蓋が締まっているはずなんですけど、その影が出てきた方向にあった骨壺、1番大きな骨が蓋に挟まっていたんです。
島田:えっ! そんな事ありえないですよね。
上田:普通はありえないんです。住職さんは彼を連れて、知り合いの霊能者の方に相談したんです。すると、霊能者から「無縁仏は生前、身寄りがなかった方が多いんです。その分、生きている方と繋がりを求めることがあります。その女性の霊はあなたに好意を持っている様子で、この場にも憑いてきている。このままだと、どこまでも憑いてきてしまいます。魔除け仏具をお渡しするので、本堂に泊まって、その霊が“あなたに近づけない”と諦めさせなければいけません」と言われたんですね。
島田:でも、同じ場所に泊まるのは怖いですよね。
上田:はい。正確には同じ場所ではなく、本堂の2階に泊まったんですね。1階から2階あがる階段に塩で結界を張って、部屋には魔除けの仏具を置いて。さらに、お寺で飼っている小型犬をおなじ部屋に泊まらせたんですね。
島田:小型犬ですか?
上田:住職さんが言うには、「生き物の吼える声は、邪気を払う」ということなんです。きちんと準備をして本堂の2階で眠っていると、深夜に「ギィ…ギィ…」と階段をあがる音が聴こえてきたそうなんですね。
島田:階段には塩で結界を張っているんですよね。
上田:張っています。でも、霊はまったくお構いなしに階段をあがってくるんです。どんどんと階段をあがってきて、いよいよ部屋に入ってくる……というところで犬の方を見ると、昨日の自分がされていたように胸元を抑えつけれらた様子で苦しんでいたんですね。
島田:えぇ!?
上田:彼が恐怖に震えていると、犬の唸り声に気づいた住職さんが襖を開けて、喝を入れてくれたんです。すると、霊の気配がすぅっと消えたんです。
島田:危ないところでしたね。
上田:はい。彼はその翌日、家に帰ることができたそうなんですけど。後日、可哀想なことがありまして。
島田:可哀想なことというと?
上田:おなじ部屋にいた犬が行方不明になっていたんですけど。ある日、お寺の軒下で亡くなっていたんです。その軒下というのが、無縁仏の骨壺があった場所の真下だったんです。
亡くなってしまった犬は、彼の身代わりとして連れていかれたのか。今もその無縁仏の骨壺は本堂にあるのだとか。
一方、後攻の阿部は、自らの取材で起きた不思議な体験について語った。
阿部:仕事で心霊スポットの取材をすることがあるんですけど。動画の中に“得体の知れないもの”が写っていることがあるんです。これは“心霊スポット”として知られている北関東の廃ホテルを取材したときのことです。
島田:はい。
阿部:9階建てで、いわくがあるのは5階なんです。僕は9階まで上がって、だんだん降りて行って5階へ向かう。他の取材メンバーは1階から上がっていって、5階を目指す……という流れだったんですね。9階から降りていく途中、7階で風呂場に水が溜まっているところがあったんです。その水というのが“真っ赤”なんですね。
島田:真っ赤……というのは、錆などではなく?
阿部:はい。匂いもないし、腐ってもいないんです。そういった心霊スポットで検証をおこなう時に、僕らがやっていることがありまして。「携帯電話を内側のカメラにして10回まわると自分の後ろに霊が写る」「手を叩いて響かなくなったら、近くに霊がいる」「線香を焚いて、煙が横になびいていったら、近くに霊がいる」というものなんです。僕は線香を焚いて、携帯電話を内側のカメラにして10回まわったんですね。まわり終わったときに手を叩いたら、まったく響かなかったんですね。
島田:えっ! お風呂場なんですよね。
阿部:はい。普通、お風呂場だったら音が響くはずなんですけど、まったく響かないんです。すると、線香の煙が浴槽にたまっている水にむかってなびいていくんです。
島田:これは霊が近くにいると考えてしまいますよね。
阿部:その時はそれ以上のことは起こらなかったんですけど。後日、その動画をYoutubeにアップしたら、視聴者さんから不思議なコメントが書き込まれていたんです。
島田:不思議なコメント?
阿部:「お風呂場にかかっていたタオルが怖かったです」というコメントがあったんですね。よくよく動画を確認すると、10回まわっているとき、後ろにタオルが写っていたんです。このタオル、僕も同行していたスタッフも現場で見ていなかったものなんです。
いまもYoutubeに残っているこの動画。そのタオルが何を意味していたのかは未だ解らないままなのだとか。
スタッフによる判定の結果、上田遼馬が勝利。SOSグランプリの最後を締めくくった。
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番組情報
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