政府は出口に向かって“具体案”を出すべき ~緊急事態宣言解除へ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月27日放送)にジャーナリストの末延吉正が出演。緊急事態宣言の解除について解説した。
緊急事態宣言の解除、9月28日にも正式決定
9月30日に期限を迎える新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言解除について、政府は新規感染者数の指標が大幅に改善しているとして、全面解除に向けた検討を始めている。専門家の意見も踏まえて27日にも方針を固め、28日には対策本部を開き、正式に決定する見通しだ。
飯田)朝日新聞は一面トップで報じておりますが、重点措置を置かずに解除するのではないかということも言われています。
自民党総裁選の候補者は国民の不満を肌感覚で感じているのだろうか
末延)去年(2020年)の夏、去年の冬、今年の夏、国民のみんなが一杯のビールも取り上げられてしまったわけです。
飯田)そうなのですよ。
末延)それがようやく明けても、「では飲めるのか?」というところがはっきりしない。はっきりしているのは、10月中にワクチン証明、陰性証明を使いながら、いくつかの場所で実証実験をやるということです。日本野球機構は、自分たちで実証実験をやると言っていますが。
飯田)そうですね。
末延)そろそろ、コロナ禍からWITHコロナに移行して、経済活動を戻す努力をしなければいけないのだけれど、首都圏の知事さんたちは、自分が責任を負うのが嫌だからなのでしょう。国に何でも決めてもらおうとしています。
飯田)締め付けるときは、皆さん声高々に言うのだけれど。
末延)居丈高に言って、国家や行政が、この夏も仕事終わりの一杯のビールを取り上げたのですよ。
飯田)久しいですね、あれが消えて。
末延)ビアガーデンで一杯飲みたいなと思うではないですか。実証実験をやるのはいい、11月から本格的にやるのでしょう。ヨーロッパでは、動くところは動かしているのですよ。自民党総裁選のやりとりを聞いていても、「国民の不満を肌感覚で感じているのだろうか」と疑問に思います。
飯田)そうですね。
末延)「みんなの生活実感」というものを、もう少し捉えて欲しいと思います。言い過ぎかな。
新たな科学的根拠が出て来たら「こう変える」ということを言うべき
飯田)ヨーロッパなどを見ていると、科学的に「ここまでならば大丈夫」だという線引きを専門家や政府がして、「どこまで動くか」ということをやっているけれど、日本の場合は情緒に訴え過ぎではないでしょうか。
末延)特に菅さんは自分の希望的観測で判断して、去年、先にGo To キャンペーンをやり、ワクチンは後追いで夏休みの宿題になったでしょう。あれが間違いだった。最近、専門家が「エアロゾルは空気感染だ」と言っていて、「接触や飛沫とは違う」ということを発表しているのに、政府からそういう話が出て来ないのですよ。
飯田)政府からは。
末延)「いままではわからなかったけれど、そういうことがわかった」と専門家が話していることを言うべきなのです。しかし、政府のアドバイザリーボードや専門家と称する人が、「自分たちが最初に言ったことを変えたくないから言わない」という指摘もあるのです。
飯田)自分たちの発表したことを。
末延)パンデミックのときには間違うこともあります。「これは違っていて、新たに科学的な根拠が出て来たので、こう変えます」ということを謙虚に言うべきです。みんな生活に困っているわけですから。
飯田)経済が回りませんからね。
出口に向かって政府は具体案を出すべき
末延)いよいよ出口を探して行くところだから。しかし、冬が深くなれば、また第6波もあります。「恐れ過ぎず、正しく怖がる」と最初のころに言っていたではないですか。もう1年半も経っているのだから、政府も行政のトップも具体的に「こうやります」ということを言ってもらいたい。「安全、安心」と同じことばかり繰り返しても、「だからどうするのか、なぜそうなのか」ということをきちんと示してもらいたいですね。
飯田)ここまでワクチンも打って来たわけですからね。
末延)3回目の話ももう出ていますが、年内に飲み薬の治療薬が出る可能性があるのはグッドニュースですよね。
飯田)そうですね。
末延)トップの方にはその辺を具体的に、もっと大胆に言ってもらいたいと思います。
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