先行きの改善に期待したい ~9月の日銀短観
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月5日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。日銀が10月1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)について解説した。
9月の日銀短観
日銀が10月1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、中小企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は全産業でマイナス8となり、前回6月調査から横ばいだった。
飯田)日銀短観の9月分が発表されましたけれども、大企業・製造業の業況判断指数は、6月の前回調査から4ポイント改善、プラス18という数字でした。この辺り、どうご覧になられますか?
クラフト)そこは順調なのですけれども、先行きに不安材料もあります。やはり、コロナが大きく影響しています。緊急事態宣言が解除されましたので、先行きの改善に期待したいところですね。
飯田)この調査が、8月の終わりから9月いっぱいということで、この時期は緊急事態宣言が出されていたころです。しかも延長もされた時期だったので、気持ちの面でなかなか上がって来ないということがありますか?
第6波に対して準備をすることが大事
クラフト)いちばん底に来ていた時期ではないでしょうか。この先、どう改善して行くのかが重要だと思います。とにかく第6波に対しての準備をすることが何より大事です。
飯田)コロナ対策も、新閣僚の顔ぶれとリンクします。ワクチン担当、コロナ担当、さらに厚労大臣と、いずれも新任で初入閣の方です。この辺りはどうご覧になりますか?
クラフト)総取り換えで、「いまの時期に変えても大丈夫か」という不安もあるかと思います。ただ、一定の目処は前政権でつけているし、新しい顔ぶれで新たな道筋をつくるというのもいいのではないでしょうか。
海外に比べて水際対策が厳しい日本 ~政権が変わってもワクチン接種率を高め、医療施設を準備することが必要
飯田)海外とのやりとりもさまざまされていらっしゃると思います。国内では、ワクチンパスポート等を使って「徐々に」ということですが、海外との部分では、自主隔離期間を14日から10日に短くするというようなことも出て来ていますが。
クラフト)改善はしているのですけれども、海外と比べると、日本は水際対策が厳しいですね。いまの時期ですから、仕方ないという部分もあるのですけれども、海外は完全にオープンにしていますので、日本もそれに追随して行くのではないでしょうか。とにかくどの政権、どの大臣になろうが、ワクチン接種率をより高める。それから、万が一の場合を考えて医療施設を準備しておく。これに尽きるのではないかと思います。
飯田)それをやりながら、治療薬が出て来ればフェイズがまた変わると。
クラフト)アメリカでも治療薬が新しく出ました。日本の場合の課題は、治療薬の認証です。これを早くするというのが大事ですね。
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