台風19号の豪雨災害から2年 ~今後検討するべきこと

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月13日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。発生から2年が経った台風19号による豪雨災害について解説した。

台風19号の豪雨災害から2年 ~今後検討するべきこと

台風19号 千曲川の決壊現場近く、特別養護老人ホーム「りんごの郷」から自衛隊員らの手によって救出される入所者たち=2019年10月13日午後0時12分、長野市 写真提供:産経新聞社

台風19号による豪雨災害から2年

死者・行方不明者合わせて123人、国や都県が管理する河川で堤防が決壊したのが142ヵ所、氾濫した河川は325ヵ所に達した2019年10月の台風19号から、10月12日で2年となる。各地で追悼式が開かれ、黙とうを捧げた。

飯田)一昨年(2019年)の10月に起こった台風19号では、東日本や東北で記録的な大雨となりました。堤防の決壊や河川の氾濫、がけ崩れなど、土砂災害は952件に上ったということです。私も直後に郡山に入って取材しましたけれど、あの辺りは1986年に「8.5水害」という豪雨災害があったそうです。その後、いろいろ対策をして、「もう大丈夫だ」と思っていたのにこんなところまで来たと、皆さんおっしゃっていたことを印象深く覚えております。

高橋)大きい台風でしたよね。

飯田)あの年は千葉に台風15号が来て、これも瓦が飛ばされるなどさまざまな被害があり、停電も長く続きました。そして台風19号では、新幹線が水没するということもありました。

高橋)ありましたね。

飯田)衝撃的な映像でしたが。

仮設住宅の入居期限は原則2年

高橋)仮設に入っている人たちは、2年で出て行かなければいけないのですよね?

飯田)そのようですね。

高橋)2年の入居期間が終わったあと、そういう人たちはどうされているのでしょうか。たくさん避難されていて、仮設も多かったでしょう?

飯田)そのはずです。そうすると追加対策のようなものを、都道府県や市町村でやらなければならないということにもなる。

高橋)しかもコロナ禍になったので、普通の2年ではないですよね。この2年間は、通常とは違う2年ですから。

災害時には精算はあとにして、先に予算をすべて出す

飯田)災害対策に関して言われていることが、「起きたあとにどうするのか」ということもそうですけれど、莫大なコストもかかってしまう。

高橋)私も地方の財務局の部長をやっていましたが、災害対策の予算執行を任されるのです。みんな地方の話だから、東京ではわからない。だからいつも現場に行って、「予算は全部概算でOK」でやりました。

飯田)すべてOKと。

高橋)何も資料なしで、「全部あとで精算しますから、とりあえず」ということで。

飯田)やらなければダメだと。

高橋)細かくやる人もいるのだけれど、細かくやっても仕方がないではないですか。

飯田)起きたあとに関しては。

高橋)全然話にならないから。「あとで精算します」ということで、とにかく急いでやる。やり方は2つあって、事前に精算して出すというのが普通なのだけれど、災害時には無理ですね。

機械的に順繰りに行うことしかできない河川の改修

飯田)起きる前に予算を積んで対策しておいた方が、結果的にコストも安くなるだろうという話もあるのですが、なかなか難しい。

高橋)難しいですよね。はっきり言うと、わからないですから。公共事業は順番にやって行くのです。「先にやってくれていれば」と言うのだけれど、どこがどうなるかがわかりませんから。

飯田)事前にそれだけやっておいて、起きたときにきちんと予算をつけるというのが。

高橋)河川の改修も機械的に、順繰りにしかできないのです。

飯田)一気に全部というわけにはいかないのですね。

高橋)「確実にそこで台風が起こる、洪水が起こる」ということであればできるのですが、わからないですよね。

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