ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月1日放送)に埼玉3区で当選した自民党・黄川田仁志氏が出演。今回の衆院選について訊いた。
第49回衆議院議員選挙 ~自民党が単独で絶対安定多数を確保
第49回衆議院議員選挙は10月31日に投開票が行われ、定数465議席のうち自民党が単独で絶対安定多数となる261議席を獲得した。立憲民主党は共産党などと小選挙区で候補者を一本化したものの伸び悩み、100議席を割り込んだ。
飯田)衆議院選挙は10月31日に投開票でした。自民党は公示前より議席は減らしましたけれど、単独で絶対安定多数の261議席を確保。立憲民主党は110あった議席を減らして96議席になりました。ここでは、埼玉3区(草加市、越谷市3区域)の小選挙区で当選された、自由民主党の黄川田仁志さんにお話を伺います。黄川田さん、まずはおめでとうございます。
黄川田)ありがとうございます。
飯田)今回の黄川田さんの選挙区では、3人の候補者の方が立っていらっしゃいましたが、事実上の与野党一騎打ちとなりました。野党連合から出た立憲民主党の山川百合子さんとしのぎを削った選挙戦だったと思います。過去の選挙と比べてどうでしたか?
黄川田)過去の選挙では、希望の党の小池さんによる「排除発言」があって、いろいろな意味で追い風の選挙だったと思います。しかし、今回の相手は野党連合ということで、世論調査の結果もそうですし、党本部の調査結果でも厳しいものがあり、覚悟して臨んだ選挙でありました。かなり厳しい選挙であったことは確かだと思います。
「魔の3回生」と呼ばれた2012年当選組
飯田)黄川田さんは2012年の選挙が初当選でした。選挙前には、「魔の3回生」という言われ方もされましたけれども、今回はその実力が試された選挙ということですか?
黄川田)「魔の3回生」と言われましたね。私たち2012年の当選組は119人いましたから、いろいろな方が議員になれた選挙だったと思います。少し変わった方もいれば、素晴らしい方もいらっしゃるという、玉石混淆と言ったら言い過ぎかも知れませんが、そういう時期だったと思います。自民党が野に下って、「復活するぞ」というときに候補に応募しました。「魔の3回生」は今後、「多様性の3回生」なのだと理解していただければと思います。
格差がない社会にして欲しい
飯田)今回は地元を回ってどんな声が多かったですか?
黄川田)アベノミクスは誤解されているところがあると思うのですけれど、「格差がない平等な社会にして欲しい」、「年金暮らしにはきつい」という意見も多くありました。あとは「戦争をする国にするのか」という声もありました。
当選の決め手は選挙の「運動量」
飯田)スタジオにはジャーナリストの須田慎一郎さんもいらっしゃいます。
ジャーナリスト・須田慎一郎)自民党内の情勢調査を見ても、相当厳しい戦いだったのだろうと思います。埼玉3区は事実上の与野党一騎打ちという状況でしたけれども、最後に頭1つ抜け出して当選へ持って行った決め手は何だったのでしょうか?
黄川田)運動量だと思います。運動量だけは相手候補に負けないよう、組織力をフルに使って選挙を行いました。それが実を結んだのだと思います。
コロナ対策と経済再生
須田)今回の選挙は、大前提としては政権選択選挙と言われたのですが、本当に政権選択になっているのだろうかという有権者側の疑問もあったと思います。それを除けば、争点なき選挙だったようにも思います。埼玉3区という東京のベッドタウンで、有権者の心を掴んだものは何だったのでしょうか?
黄川田)私は岸田新内閣で内閣府副大臣に任命され、コロナ対策と経済再生が私の担当するところでした。そのなかで、「コロナ禍を何とかする」「経済を立て直す」というところを訴えて来ましたが、埼玉3区については、そういうところではないかと思います。
政策実行能力がある自民党を選んだ
須田)野党統一候補よりも、黄川田さんの方が「自分たちの望みが叶えられる」と有権者が踏んだのですかね。
黄川田)おそらく政権選択と言いながらも、「自民党にお灸を据えたい」という気持ちが国民のなかにあると思います。ただ、それで政権が変わるところまで行くのかというところは、国民も疑問に思っていたのではないでしょうか。やはり「政策実行能力がある自民党」という面で選んでいただいたのかなと思います。
しっかりとした予算規模を示す
飯田)越谷市の“ウミタロウ”さんからメールをいただいています。黄川田さんに投じたということです。「100%の合致ではないけれども、適格請求書等保存方式(インボイス制度)を除いて、大抵の掲げる政策が私に合うと思ったからです。他方、比例は国民民主に入れました。財政政策について100点満点だったからと考えます」と。この辺りを考えると、地道に政策を訴えて来たというところ、そして経済に対して関心を持つ有権者の方々も多かったのではないかと思います。選挙が終わり、副大臣として当然、補正や本予算などにも関わって行くと思いますけれども、ポイントは何だとお考えですか?
黄川田)補正にしろ、来年(2022年)の予算にしろ、「しっかりとした予算規模を示す」というところを意識してやって行きたいと思います。デフレギャップが22兆円程度あるという話ですので、そこを国の財政がどうやって埋めて行くのかというところです。いろいろな政策を立てて埋めて行くことになりますが、規模をマクロな視点で進めて、国民の皆さまにどれだけ提示できるのかが鍵になると考えています。
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