ウクライナ情勢に消極的なバイデン大統領 ~米露がオンラインで首脳会談を開催

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月6日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。オンライン形式で開催される米露首脳会談について解説した。

バイデン米大統領(左)とロシアのプーチン大統領(アメリカ・ワシントン)=2021年3月17日 AFP=時事 写真提供:時事通信

米露がオンラインで首脳会談を開催、ウクライナ情勢協議へ

アメリカのホワイトハウスは12月4日、バイデン大統領とロシアのプーチン大統領が7日にオンライン形式の首脳会談を開催すると発表した。ウクライナ情勢をめぐる軍事的緊張の緩和につながるかが焦点である。

飯田)ロシア軍はウクライナとの国境付近に部隊を集結させている。その規模は17万5千人くらいに上ると報じられていますが、危機が迫っているということですか?

NATO、アメリカとの駆け引き ~軍備増強のロシア

須田)動員して、その準備をしているということだと思います。一方でロシア側は集結そのものを否定していますし、ウクライナに対しての軍事的な攻撃についても否定していますので、すぐに戦端が開かれるという状況ではないと思います。

飯田)まだそういう状況ではない。

須田)何らかの駆け引き、せめぎ合いという段階に入って来た。ロシアはウクライナとやっているわけではなく、NATOやアメリカへの駆け引き、せめぎ合いをやっていると考えていいと思います。

飯田)日本から見ると、突然、この問題が起こったように見えますけれど、予兆のようなことはあったのですか?

須田)ウクライナ国内へのNATO軍の進出が見て取れた状況があります。ロシアサイドとしては、ウクライナはある種の緩衝地帯的な意識があるのです。

飯田)西側との間の。

須田)そこが西側の勢力圏に入って来るということは、ロシア自身が危険を感じることになります。だから部隊を集結して圧力を掛け、元の緩衝地帯に戻そうとしているのです。

ロシア包囲網の強化は容認できない

飯田)かねてから言われていますが、プーチンさんからすると、「約束破りではないか」と。NATOがこれだけいろいろな国に駐留するようになって、それこそバルト三国にまで来るようになっている。ソ連が崩壊したときに、そういうことはやらないと言ったではないか、という気持ちはありそうですよね。

須田)ロシア側から見れば、ロシア包囲網の強化なのです。ロシアは潜在的には慎重で、いろいろなことを恐れる国なのです。そういう意味で言うと、現在の状況はどうしても容認できない。中央アジアでも似たような傾向があるのだろうと思います。

飯田)経済面で見ると、ロシアはずっと苦境に立たされていると言われています。そこをカバーするような意味合いもあるのですか?

須田)経済面を捉えると、むしろロシアとNATO諸国、つまりEUは結びつきを強化しています。新しい天然ガスのパイプラインも施設されて、近いうちに全面稼働を始める予定です。

飯田)アメリカはこれに反対していました。

須田)ヨーロッパ側にとって、天然ガスの安定的な供給は、気候変動対策の一環としても必要なのです。結果的に、パイプライン建設の遅れが天然ガスの価格高騰を招いたわけです。その点を考えると、ロシアとEU、すなわちNATOの国々の結びつきはものすごく強いのです。

飯田)経済的には。

須田)ただプーチン大統領の場合は、経済と安全保障のどちらに優先順位があるのかと言えば、圧倒的に安全保障です。

ロシアのプーチン大統領(ロシア・モスクワ)=2021年10月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信

NATOを退かせて緩衝地帯を取り戻したいロシア

飯田)プーチンさんの目的としては、NATOを退かせることがいちばんの目標になりますか?

須田)そうですね。かつて言われていた東ヨーロッパというカテゴリーが、ある意味では緩衝地帯だったわけです。

飯田)当時のワルシャワ条約機構のようなところですね。

須田)ロシアの勢力圏かどうかは別としても、当時のような状況に戻すということが、プーチンさんの基本戦略だと思います。

EUやNATOに加わることは許さない

飯田)それぞれの国からすると、ウクライナの場合は東半分と西半分で割れているという話もありますが、おいそれと「ロシアの勢力圏には行きたくない」という国々が多いですよね。

須田)否定的ですよ。肯定的なのはベラルーシぐらいで、それ以外の国々はロシアから離脱したい傾向にある。ロシアとしては、離脱するのはいいけれど、「EUやNATOに加わることは許容できません」と。あくまでも緩衝地帯的な役割を果たすのであれば、ロシアから離れることは許容するけれども、ということなのでしょう。

ウクライナ情勢に関しては消極的なバイデン大統領

飯田)バイデンさんとプーチンさんがオンラインで話し合うということですが、NATOを動かすとか、部隊を動かすというところまで行くのですか?

須田)そこは消極的だと思います。

飯田)消極的。

須田)アメリカがアフガンから退いたのも、その理由ですが、やはり中国との競争に全エネルギーを注ぎ込みたい。西太平洋エリアでいま、アメリカと中国がせめぎ合っているわけですから、ここで揉めごとを起こす選択肢はまったくありません。

飯田)逆に言うと、プーチンさんは「アメリカが出て来ないのであれば、俺たちができるかも」という考えもあるのですか?

須田)プーチンさんとしては、アメリカが出て来ないというのであれば、他の国を侵略するということではなく、自分の国を中心に、安心して国家運営ができるというところもあるでしょうからね。

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