ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。北京冬季五輪への政府代表派遣について、岸田総理が「国益の観点から自ら判断する」と述べたニュースについて解説した。
岸田総理、外交的ボイコットは「国益の観点で判断」と発言
岸田文雄首相は12月7日、バイデン米政権が北京冬季五輪に政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を発表したことを受け、日本政府の対応について「国益の観点から自ら判断する」と述べた。
飯田)北京冬季オリンピック・パラリンピックまで、あと2ヵ月もないというところですが。
高橋)そうですね。
飯田)アメリカが外交的ボイコットという形で、外交使節団を派遣しないことになりました。イギリスやオーストラリアは検討中という状況で、日本はどうするのかというところですが。
東京五輪の際、中国から来た国家体育総局の苟仲文局長 ~同じランクの人を派遣すればいい
飯田)実務的には簡単ですか?
高橋)簡単ですよ。東京五輪のときに誰が中国から来たかを見るだけです。最初は副首相が出席するという話でしたが、防衛白書での中国に関する記述に中国が反発して見送ったのです。
飯田)そうですね。
高橋)最終的に来たのは、国家体育総局の苟仲文局長という人です。中国共産党のなかの序列を見ると、上に政治局員が25人いて、これは日本の閣僚に相当すると思いますが、それ以下は普通の役人です。中央委員は200人くらいいるのだけれど、そのうちの150~160番目くらいではないでしょうか。下の人ですよ。だからみんな名前も知らない。そういう人が来たことを考えると、日本も同じようなランクの人を送ればいいのです。いろいろなところで言いましたが、実務者として文科省の課長レベルの人でいいのではないでしょうか。
実務者として文科省の課長レベルの人が適任
高橋)実務者で、公務員で政治力はないでしょう。でも実務的には能力が高いから、選手団の面倒を見るということからも、いいと思います。
飯田)そうですよね。実務的には必要です。
高橋)そう理解すると簡単な答えがあるのです。それをいまの段階で言えないのは、どういう理由なのか。外交的には興味があります。
飯田)産経新聞が独自で、
『政府内では、閣僚ではないスポーツ庁の室伏広治長官や日本オリンピック委員会の山下泰裕会長を派遣する案が浮上している』
~『産経新聞』2021年12月8日配信記事 より
飯田)……という記事を出していますが。
高橋)2人とも政治家ではなく、元スポーツ選手だということで、それでもいいのですけれどね。でも、その人たちが行くより、文科省の課長が行った方が実務能力は高いと思います。
飯田)実務能力は。
高橋)外交的には簡単な解があるのです。しかし日本政府はどうしてもったいぶって、「じっくり検討」などと言うのかと、私はそちらの方が不思議です。これを何に使いたいのかなと思うのですが。
飯田)外交カードとして。
高橋)外交カードにはならないのです。「日本は実務対応しました」と言ってしまった方が簡単なのですけれどね。
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