災害時における人工透析

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東京都医師会理事で「三軒茶屋病院」院長の腎臓専門医、大坪由里子氏が12月2日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。災害時における人工透析について解説した。

人工透析 ライフラインが寸断された緊急時に利用可能な腕時計型の尿毒素除去システム=2014年2月19日 写真提供:産経新聞社

災害時の人工透析 ~緊急時の避難訓練も

飯田浩司アナウンサー)北海道胆振東部地震があった際に取材していたのですが、全道で停電になってしまった。そのときに、「人工透析の患者さんたちをどうするか」という問題があったと記憶しているのですが、電気が止まったときの災害対策はどのようにされているのですか?

大坪)透析を行うには、電気と水が必要です。施設によっては井戸を掘ったり、自家発電を備えていて、自力で透析できるようにしている施設もあります。

飯田)停電になっても。

大坪)命をつなげるために定期的に行わなければいけない治療なので、患者様にも自分の身を守れるように勉強していただいています。透析中に地震が起き、避難しなければいけないときは管を抜いている暇がないので、「クランプ」と言って、管を挟んでハサミで切って逃げるという方法もあります。

飯田)針を刺したままで。

大坪)そのようなことをご自分でできる方は、手順を覚えて練習しておく。スタッフも緊急のときに対応できるよう、災害時の訓練をしています。患者様には勉強会も開いてご理解いただくようにしています。

新行市佳アナウンサー、大坪由里子氏、飯田浩司アナウンサー

災害時における透析のネットワーク

飯田)訓練というと、お医者さんや看護師さんなど、医療スタッフの方が行うイメージがありますが、患者さんにも講習会のようなものが開かれるのですか?

大坪)講習会のなかでは、透析施設で被災した場合の訓練、また、自宅にいて透析施設が壊れてしまい、透析できなくなってしまったときにどうするか、ということも勉強しています。全国で透析のネットワークができているので、地震が起きたときには、「自分の施設は何人受け入れられるか」ということを一斉に入力する決まりになっています。

飯田)そうなのですね。

大坪)そのネットワークによって、透析ができなくなった方を受け入れるシステムは構築されていますし、そのなかでも訓練は行われています。ただ、透析可能な施設に辿り着くまでに時間がかかりますので、その間は自己管理していただき、何とか次の透析まで持ち堪えていただくことが大事です。

東日本大震災時には被災地から多くの患者を受け入れた

飯田)直近の記憶として、2011年3月11日の東日本大震災の記憶があるのですが、あのときはいかがでしたか?

大坪)地震の揺れで透析が不可能になった場所は1つだけだったのですが、その後の津波と物資の不足によって、東北地方の透析施設は苦しい状況になりました。東京を含め、被害のなかった地域で患者様の受け入れを行いました。

飯田)そうだったのですか。

大坪)三軒茶屋病院でも、朝にバスで向こうを出発していただいて、夜の7時ぐらいにやっと着き、そこから透析を行うこともありました。行政が準備した宿泊施設に滞在されて、そこから透析に通う方もいらっしゃいましたし、高齢の方はしばらく入院してから、こちらの病院で透析を受けていただく場合もありました。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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