「男性更年期障害かな」と思ったらどこへ行けばいいのか

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が12月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。男性更年期障害の3つの治療法について解説した。

「男性更年期障害かな」と思ったらどこへ行けばいいのか

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

「男性更年期障害かな」と思ったら ~専門外来がない場合は「泌尿器科」へ行く

飯田浩司アナウンサー)「もしかすると、男性更年期障害かも」となったときは、何科に行けばよいのですか?

森田)男性更年期の症状が現れて、いざ医療機関を受診しようと思っても、どこの診療科に行けばいいのかわからない場合も多いと思います。男性更年期専門の外来を最近見かけるようになって来ましたけれども、まだまだそれほど普及はしていないので、一般的には泌尿器科が窓口になっていることが多いです。単なる疲れや、あるいは怠けているからなどと思わず、男性更年期障害らしい症状があったら、迷わず医療機関に行くことが大切だと思います。

3つの治療法 ~「男性ホルモン補充療法」

新行市佳アナウンサー)病院では実際にどのように治療するのですか?

森田)医療機関における男性更年期の治療法は3つあります。まず、1つ目が「男性ホルモン補充療法」です。その名の通り、男性ホルモンを注射などによって補充する治療法です。男性ホルモンを注射することによって、精神の症状や心の症状、あるいは自律神経の改善などが認められ、かなりの効果があります。

飯田)男性ホルモンを注射することで。

森田)しかし、男性ホルモンを注射してはいけないような、例えば前立腺癌の治療中の方や、重症の前立腺肥大の方は、この治療法は受けることができません。ただ、女性の更年期障害に対するホルモン療法に比べると、効果には個人差があるようです。

「男性更年期障害かな」と思ったらどこへ行けばいいのか

新行市佳アナウンサー、森田豊氏、飯田浩司アナウンサー

漢方による治療

森田)続いて、2番目の更年期の治療法には漢方があります。症状により、さまざまな漢方を使います。副作用も比較的少なく、高い有効性が認められています。医師のなかには、「男性の更年期障害の治療は漢方が主流だ」と言う医師もいるくらいです。

ED治療薬

森田)3番目がED治療薬です。男性更年期障害の方の多くが、ED(勃起不全)を合併していますので、最近はさまざまな薬が出ております。こういったものを処方して、症状を改善することが大切です。

飯田)「朝からEDの話なんて」と思わずに、ぜひ聞いていただきたいと思うのですが、これは本当に切実な問題なのですよね。

森田)大阪大学で男性更年期外来を担当する辻村先生によると、ビジネスマンにも見られるような、うつ病の前段階の症状と言われる抑うつ感。これがEDを招くとしていますし、逆にEDになってしまった人が何となく抑うつ感を抱くという報告もあります。世界的にも、日本のEDの有病率は高いということです。

飯田)そうなのですね。

森田)辻村先生によると、初めは抑うつ感のみを主な訴えとするケースも非常に多いのですが、話をよく聞いてみると、実はEDも自覚していたということはよくあるようです。EDの話は自分から言わない人もいるので、男性更年期外来では、医師の方から「EDはありますか」と患者さんに聞き、それがきっかけで治療につながるという例もあります。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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