ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月17日放送)に外交評論家・内閣官房参与の宮家邦彦が出演。憲法審査会について解説した。
憲法審査会
憲法審査会は憲法や関連法制を調査し、改正原案を審査する国会の審査会で、衆参それぞれの議席数に応じて各党に委員が配分される。改正原案は各委員の審査会が過半数で可決し、本会議で3分の2以上が賛成すれば、発議されるという手続きを踏まえている。衆議院憲法審査会は、先の衆院選後、初めて自由討議という形で12月16日に行われている。自公両党、日本維新の会などが前向きな形の一方で、立憲民主党はテーマが決まっていないなかで分科会を設置するのは拙速だとして、慎重な姿勢を示している。
飯田)これが長い間、開かれていなかった。
宮家)各党のそれぞれの主張を読んで驚きました。憲法が変わらずに、どうやって統治を続けられるのか。法治主義ということであれば、その実態に合わなくなったら法律を変える。新しいルールで統治して行くというのが、基本的な考え方だと思います。
憲法を1度も変えていないのは日本くらい ~状況が変われば憲法も変わるべき
宮家)諸外国を見ても、憲法をこの何十年、1回も触っていないような国は、私の知る限りありません。当然、状況が変われば、憲法を変えているわけです。
飯田)状況が変われば。
宮家)「まず改憲ありきであってはならない」とか、「白紙から一歩一歩」と言うけれど、白紙から何十年こんなことをやっているのでしょうか。憲法審査会が議論されるようになったのはいいことだと思いますが、各党の主張を読むと、「本当に議論が始まるのか?」と思ってしまいます。
飯田)相変わらず入り口のところですね。
宮家)議論はするけれど、実態としては議論しないのと同じではないですか。
飯田)議論はするけれど。
宮家)「自衛隊のような存在を明記するだけの規定は知る限りない」とおっしゃる方もいます。確かにそうだけれど、憲法9条のような規定だって、世界には、知る限りないのです。
飯田)憲法9条のような規定も。
宮家)議論をする以上、改憲ありきであるかは別として、この憲法審査会で改憲の議論をするのであれば、その方向で動かないと、ますます憲法と実社会が乖離して行く。そうなれば、憲法に対する信頼が失われてしまうと個人的には思います。法治国家とはそういうものだと思います。
これ以上解釈だけでやるのは無理がある
飯田)そこで実社会との乖離が起こったとき、それを埋めるために「解釈でどうにかする」というような、ある意味で「成文憲法だったのか」というようなことになる。
宮家)何度も使える手ではありません。解釈を変えることが大事なときもあるけれど、これだけ時代が変わったのに、これ以上、解釈だけでやって行くのは無理がありますよ。どうして憲法を変えないのかなと、不思議に思います。
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