ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月23日放送)に自由民主党・衆議院議員の平将明が出演。岸田総理が地方自治体に対して、ワクチン接種間隔短縮の協力を求めたというニュースについて解説した。
岸田総理、ワクチン接種間隔短縮に向け地方自治体に協力要請
岸田総理大臣は全国知事会などとの協議で、新型コロナウイルスワクチンの2回目接種と3回目接種の間隔を、原則8ヵ月から6ヵ月に短縮する対象を広げる方針で、地方自治体に協力を求めた。短縮する対象を医療従事者などに拡大するとともに、一般の高齢者は2022年2月以降、接種間隔を7ヵ月に短縮する方針だ。
混乱なく短縮できるかどうかは岸田総理と堀内大臣の力の見せどころ
飯田)全国知事会の平井会長が協力を約束したということです。厚労省は固いようなところも見えて来ますが、どうでしょうか?
平)実際に実施するのは自治体なので、自治体は事前に日程を出してもらわないと対応できないということだと思います。一方でオミクロン株のこともあるため、いま持っているワクチンは、できるところから速やかに打つべきだと思います。そのせめぎ合いをして行くということだと思います。
飯田)せめぎ合いを。
平)前回もそうなのですが、厚労省の言うことを聞いていると間違える場合もあります。「混乱なく進める」ということがプライオリティとしては上なのですが、危機管理的には、できるだけ早く3回目を打つのが正しい答えなので、まさに岸田総理大臣や堀内大臣の力の見せどころだと思います。
飯田)1回目、2回目の接種に関しては、菅さんが「1日100万回だ」と言い、「そんなことは無理だ」と周りは言っていましたが、結果的には、1日170万回接種まで行けました。
平)あのときは、打つ量が多すぎて途中在庫が途切れるということはありましたが、危機管理的には正しいやり方でしたし、効果も大きかったと思います。ワクチンが足りないではないかという批判よりは、とにかくいまあるワクチンを積極的に打って、オミクロン株に対抗して行くということを政治的にはやるべきだと思います。
役所同士が議論すると予定調和に終わり、スピードが落ちてしまう
飯田)厚労省が「円滑に」と言う背景には、各自治体の足並みが揃っていないといけないようなことがあるのでしょうか?
平)前回のワクチン接種のときに自治体から強く言われたのは、「自治体間の競争を煽るようなやり方はやめてくれ」ということでした。その前に10万円給付があったときも、「あそこの自治体はすぐ入金になるのに、こちらの自治体ではお金が入りません」ということになり、自治体にクレームが入ったということです。ただ、それをあまりにも配慮してしまうと、スピード感が落ちてしまいます。
飯田)そちらを考慮しすぎると。
平)役所同士で議論をさせると、どうしても予定調和というか、「すべての足並みを揃えてやって行きましょう」という方向になるのですが、それは本当に国民をコロナから守ることになるのか。この問題は、また別の議論が必要になると思います。
前倒しするためのワクチン確保は現在のワクチン担当大臣にかかっている
飯田)いま1回目、2回目の接種用に集めた在庫もあるということですが、この先入って来る分に関して、「前倒しはできないのではないか」ということも言われています。この辺はどうなのでしょうか?
平)これは昨年(2020年)混乱があったなかで、当時は河野太郎さんがワクチン担当大臣でしたが、毎日電話をしていたそうです。そのぐらいのタフな交渉をして確保した経緯があります。いま一定の期間内に一定量を確保することはできているのだと思いますが、それ以降のワクチンに関しては、ワクチン担当大臣が前任と同じように、できるだけ前倒しを考えて交渉するしかないのだと思います。
飯田)その辺はトップの考え方などがものを言って来るのですね。
平)菅政権のときは、菅総理も「ワクチンしかないのだ」という強い覚悟がありましたし、突破力のある河野さんを担当大臣にした。河野さんはもともとワクチン担当大臣ではなく、行革担当大臣なのです。普通の大臣であればワクチンは厚労大臣にやらせますよね。
飯田)そうですよね。
平)しかし、厚労省のいままでのスピード感を見ていると、ダメなのではないかということで、行革担当大臣の河野さんをワクチン担当に据えた。小林史明さんは当時、自民党で私と一緒にデジタルをやっていましたが、ワクチンの接種記録システムを構築するために、急遽、河野さんの大臣補佐官に差し出したという経緯がありました。そのような意味では、非常事態に対応する体制をつくったわけです。いまは通常モードになっていて、ワクチン担当大臣と厚労大臣で、ということですが、ここは総理のリーダーシップと、ワクチン担当は先任の大臣がいるわけなので、大臣に頑張ってもらうということだと思います。
2分でスマホに表示 ~デジタルワクチン接種証明書
飯田)ワクチンの接種証明に関しては、アプリが20日にリリースされたばかりということですが、小林史明さんは、今回はこちらに関わっているということでしょうか?
平)そうですね。小林さんは全般的に、デジタルの規制改革の指揮を取ると同時に、接種証明アプリについてもまとめ役を果たしているのだろうと思います。
飯田)旧姓が入ったマイナンバーだと使えないというような細かい不具合は出て来ていますが、登録がスムーズに行くと瞬く間に使えるようですね。
平)私もやりましたが、2分ぐらいでできます。私がデジタルの担当をしていたときに大変だったのは、スマホでマイナンバーカードを読ませるということに関して、Googleは協力的だったのですが、Appleが固くて、なかなか進みませんでした。
飯田)Appleが。
平)ようやくそれができるようになって、このようなアプリが使えるようになりました。読み取りには少しコツがいるのですが、それさえできてしまえば、概ね2分くらいで、いわゆるワクチン接種記録システム(VRS)につながります。それが反映された形でスマホに表示されます。
飯田)2分で。
平)これも当初、厚労省は紙でやろうとしていたのです。それではダメだということで、デジタル化をしました。1つ1つ厚労省の言うことを聞いていたら、「あれもできない、これもできない」ということになる。厚労省も頑張っているとは思うのですが、デジタルのところは政治主導でやらないといけません。
早く進めるためにできたところからリリースする ~旧姓の入ったカードも1月中旬には使える
平)トライアンドエラーの繰り返しで、今回の旧姓併記が読み取れないということですが、これは開発上の問題だったため、私もすぐ小林副大臣と話をしました。2~3週間後には対応できるようになるということです。最初からやる予定でしたが、テスト段階で読み取りのカードに旧姓仕様のテストカードがなかったそうなのです。
飯田)そうだったのですか。
平)それは追っかけでやり、できたところからリリースをする。これもデジタル庁的な考え方です。いままでの日本の役所であれば、すべて完璧なものができるまでリリースをしなかったのですが、そうすると遅れてしまうので、できたところから、カバー率の最も高いところをフォーカスして前に進めて行く。このようなやり方でいいのではないかと思います。旧姓の入ったカードの方も、順調に行けば1月中旬くらいには使えるようになるので、しばらくお待ちいただきたいと思います。
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