ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月22日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。安倍元総理の「台湾有事」発言後、日中交流イベントの中国人の招待客に中国当局が出席しないようにかけていた圧力について解説した。
中国が日本大使館招待客に圧力
北京の日本大使館が12月に開催予定だった日中交流イベントをめぐり、安倍元総理大臣の「台湾有事」発言後、中国当局が中国人の招待客に出席しないよう圧力を掛けていたことが、12月21日に明らかになった。イベントは最終的に新型コロナウイルス対策を理由とする当局の要請で中止に追い込まれた。
飯田)「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもある」という発言。今月(12月)1日に台湾で開かれたシンポジウムで、安倍元総理がオンライン演説のなかでおっしゃったことです。
相互主義の観点から行動するべき ~中国の行為は「エスカレーション」となる
高橋)相互主義の観点からコメントすると、もし中国が対抗措置をしたいのであれば、前国家主席の胡錦濤さんに「日本は軍国主義だ」というようなことを言わせるのが相互主義なのです。
飯田)前の国家主席なりに。
高橋)相互主義の観点から言えば、それなら成り立つかも知れません。でも今回はそうではなく、違うことをやってしまったでしょう。こういう場合は「エスカレーション」となり、危険なのです。相互主義ではなくなって行きますから。私は、中国の人も相互主義をやったらよろしいのではと思います。お互い様であれば、わかりやすいでしょう。
飯田)お互いにいろいろな意見があるわけですから。
相互主義で「新型コロナウイルス感染者が増え、当局の要請で北京五輪に参加できない」という対抗措置は可能
高橋)今回、「新型コロナウイルスの感染者数が増え、当局の要請で中止に追い込まれた」という話ですから、日本が今回のことに相互主義で対抗しようとすれば、その要請を「北京五輪に対して行う」ということになります。
飯田)なるほど。
高橋)相互主義という観点から、このような切り返しは簡単です。相互主義を覚えておけば、議論は強いのです。向こうの土俵に乗らず、相互主義で話をすればいいわけです。
飯田)「お宅もやったでしょう、だからうちもやるのです」という話です。
高橋)それであれば納得せざるを得ない。でも今回、中国のやっていることはエスカレーションで、相互主義ではないわけです。
飯田)まったく別の話を巻き込んで来たと。
高橋)だから、こちらはあくまでも相互主義で対応する。当局の要請は、新型コロナということですから、北京五輪は難しいと言えばいいのです。
世界に対してもわかりやすいロジック
高橋)世界に向かって発信するときに、どういうロジックなら簡単か、わかりやすいかということを考えるのです。そういうときに相互主義を使う。
飯田)なるほど。しかも新型コロナ対策で、ということだと。
高橋)「中国国内では、大きなイベントがあるでしょう」と。「その何か」を言わなくても伝わるわけです。実務的に対応しますという方向にすればいい。
飯田)我々もイベントを自重するわけですから。
高橋)そういうことを世界に向かって言えば、どちらがより理不尽なのか、わかりやすいではないですか。
飯田)どちらが大人の対応をしているかと。
高橋)いまの駐中国大使である垂さんはしっかりしているから、そのようなやり方をするのではないかと、正直期待しているのです。今回は北京の日本大使館が圧力を掛けられたのだから、それに対しては相互主義でお返しをするべきだと思います。
飯田)相互主義で。
高橋)外交とはそういうものです。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。