ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月22日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。12月21日に閉幕した臨時国会について解説した。
臨時国会閉会、岸田総理が会見
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岸田総理大臣は12月21日夜、臨時国会の閉会を受けて記者会見し、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」への対策を強化するため、濃厚接触者に対しては自宅での待機ではなく、宿泊施設で14日間留まるよう要請することを明らかにした。また看護や介護の現場で働く人を対象とした、3%の収入の引き上げを恒久的な措置とする方針も表明している。
飯田)臨時国会が終わってしまいました。
高橋)今回も臨時国会をやったけれど、盛り上がりに欠けましたね。
18歳以下への10万円相当の給付金 ~「自治事務」なので地方の裁量で決められる簡単なこと
飯田)今回の臨時国会では、18歳以下への10万円相当の給付金に関してクローズアップされる形になりました。クーポンでやるのか、現金でやるのか。現金の場合も、一括10万円でやるのか、5万円ずつ2度に分けてやるのか。そこに終始してしまった感じがあります。
高橋)あれは地方の事務だから、「法定受託事務」か「自治事務」のどちらかを選ばなければいけないのです。今回は準備がなかったから、自治事務になるのです。自治事務であれば、地方の裁量でできます。揉めるようなことではありません。
仕事ができない人の典型
高橋)厳しい言い方ですが、仕事ができない人の典型ですね。「自由ですよ」と、私は2週間以上前に答えを言っています。自由にならなかったら、自治体からの不服を受ける「国地方係争処理委員会」というものがあるのです。そこに持って行けば、絶対に地方が勝ちますよ。法律的な位置付けが問題だから。法定受託事務であれば、国の言う通りにやらなければいけないけれど。
飯田)采配通りにやらなければならない。
高橋)すぐにわかるようなことを、長々とやっている。「柔軟性があっていい」などという評価をしているマスコミもいますが、驚きました。
揉めることで時間を無駄に使った
飯田)結局、手続き論ではなかなか攻められないから、「お宅の自治体は10万円をいきなり配るのであれば、あとから来る5万円はあげませんからね」という、いやがらせのようなことになっていますね。
高橋)とんでもない話です。あれは今回の補正予算の話で、「財源が違う」という言い方があるのですが。
飯田)そういう言い方をしていますよね。
高橋)それはあとで手続きすれば、文句を言われないような話です。結果的には自由になったというわけでしょう。「紛争処理をしたらまず負ける」ということはすぐわかります。先に「自治体の自由」と決めて、すぐやればいいのではないかと思いました。1週間以上も揉めて、時間を無駄に使ったというパターンです。
飯田)12月の2週目くらいに、「10万円の現金一括もあり」という話が出て来た。地方自治体からすると「もう5万で準備してしまったから、ひっくり返すのは無理だよ」ということにもなりました。
高橋)手順が悪い人がいるではないですか。「その人と一緒に仕事をするのは大変だな」と思いますよね。
外交ボイコット ~実務担当者が実務対応すればいいだけの話
飯田)今後の危機管理などについてはどうなのでしょうか?
高橋)「外交ボイコット」も簡単な話です。古典的な外交だと、東京五輪に来た中国の方の「お返し」という形だから、同等レベルの人が行けばいいのです。
飯田)高橋さんは「課長レベルか局長レベルでいい」とおっしゃっていました。
高橋)要するに「実務担当者で実務対応する」というだけのことです。政治的な色合いは抜きにして、実務能力のある人が行った方がいい。中国も東京五輪のときには、実務対応能力のある人が来ているのだから、それでいいのです。
飯田)実務能力のある人が。
高橋)何も考えることはありません。こんなことは、先に言った方が簡単なのです。そういうことをすぐ判断できない人なのかなと、意思決定を見ていて思います。「熟慮」などと言っていますが、熟慮することではありません。
飯田)「国益を鑑みて」、「総合的に勘案して」という話が出ています。
高橋)古典外交なら、「中国と同じような対応で実務対応します」で終わってしまうことです。最後は「来年(2022年)の日中国交正常化50周年」などと言ってしまうでしょう。余計なことですよ。何も言わずに「実務対応します」でいいのです。
飯田)こういうことを言うと、「日中国交正常化」とも結びつけられてしまうということですか?
高橋)全部結びつけられてしまうでしょう。そうなれば、スッキリした答えは出ないですよ。
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