黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(1月19日放送)にドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍が出演。ドムドムハンバーガーに入社するまでの経緯について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。12月6日(月)~12月10日(金)のゲストはドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍。3日目は、ドムドムハンバーガーに転職することになったきっかけについて---
黒木)ご主人の介護をしながら109で働き、そこをお辞めになって、店舗が空いたということで起業なさった。そこで常連のお客さんだったドムドムハンバーガーの運営会社の専務の方が藤崎さんの料理や接客を見て、「メニュー開発を手伝って欲しい」とおっしゃった。
藤崎)私はカウンターのなかでお料理やお酒をつくっていて、たまにカウンターから出てフロアでお酒を出したりしていました。そうしていたところ、私の料理の味や接客を気に入っていただいた方から……「レンブラント・インベストメント」という事業再生をしている会社なのですが、そこがはじめて、飲食の事業再生をすると。ついてはドムドムハンバーガーを譲り受けるので、その商品開発を手伝ってくれないか、と言っていただきました。ドムドムハンバーガーは歴史があり、その全国チェーンの味を一緒につくれるのは楽しそうだなと思ってお受けしました。
黒木)普通は猜疑心というか、「大丈夫なのかな」と思うものですが。
藤崎)そのようなことは一切なかったですね。受けたお話は大概受けるので。
黒木)息子さんについての、「父が病気になってからも家のことはしっかりとやって、自分には栄養も考えた弁当も持たせてくれました。ただ、さすがに疲れが出て、母が洗濯機を回したまま寝てしまい、朝まで洗濯物が洗濯機のなかに入っていたこともありました。そのような状態でも僕に”手伝え”とは言わなかった。”好きなことを頑張りなさい”というのが口癖で、うるさいことは言いませんでした」という文章を読んで、泣いてしまいそうなのですが、息子さんは一生懸命働いているお母さんの姿をきちんとご覧になっていたのですね。
藤崎)本当にありがたいですね。そのように言ってもらえると本当に涙が出てしまいます。いい母親ではなかったかなと若干思います。洗濯機の話にはその先がありまして、洗濯物は彼の野球のユニフォームだったのです。普段は彼が自分で洗濯するのですが、そのときは、「お母さん、僕は眠くなってしまったから干しておいて」と言われていました。それをまた私も忘れてしまっていたのです。それでハンガーを持たせて、「学校の授業中に乾かしておけば」と言ったというようなダメな母でした。
黒木)いまは笑い話にはなっていますが、当時はそれほどがむしゃらに頑張っていらしたのですね。
藤崎)ありがとうございます。
黒木)最愛のご主人がお亡くなりになって、それからは心に穴が空いたようになられ、「そのような母を見るのが辛かった」と息子さんはおっしゃっていますが、そこからはどのような道を辿られたのですか?
藤崎)主人が亡くなって2年が経ち、そこでドムドムハンバーガーのお誘いを受けました。タイミング的にも、心が少し落ち着いて来たころでした。いままでは子育てや介護などをやりながらの仕事だったのですが、少し自分の時間ができたころでもありました。
黒木)少し余裕ができた。
藤崎)このお誘いに乗って、そのあと、商品開発だけではなく、会社に入ることになるのですが、いいきっかけだったと思います。いままでは「生活のため、家族を守るため」という仕事の仕方だったのですが、そこで自分自身が仕事に向き合えるというところはありました。
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藤崎忍(ふじさき・しのぶ)/ (株)ドムドムフードサービス代表取締役社長
■1966年7月、東京都墨田区生まれ。短大卒業後に区議会議員の男性と結婚。
■主婦として子育てなどに奔走していたが、39歳の時に夫が病に倒れ、商業施設「渋谷109」にあるブティックの店長として働き始める。仕事と介護を両立しながら5年にわたって働き、この期間で売り上げ倍増を達成。年商2億円という優良ショップへと導いた。
■2010年に退職すると、次は東京・新橋の小料理屋でアルバイト。その後、2011年に小料理屋の近くで居酒屋を開店。翌年には2軒目も出店。ご主人の介護も続けていたが、2016年12月に長期療養中だったご主人が急逝。
■その後も居酒屋で仕事を続ける毎日だったが、ドムドムハンバーガーの運営会社の人物が・そのお店の常連客で、新商品開発担当として藤崎さんをスカウト。2017年にドムドムハンバーガーの新商品開発担当として転職する。
■新規店舗の店長やエリアマネージャーなどを経て、入社から1年経たずして、2018年4月にドムドムフードサービス社長に就任。
■就任後は「ドムドムらしさ」にこだわり、メニューの刷新など様々な改革を断行。「カマンベールチーズバーガー」「丸ごと!!カニバーガー」など斬新なメニューを相次いで投入。業績を黒字に転換させた。
【ドムドムハンバーガー】
・1970年に誕生した日本で最初のハンバーガーチェーン。
・かつては全国350店舗を超えたこともあったが、他店との競合もあり・徐々に低迷。
・2017年にホテル運営のレンブラントホールディングスが買収。現在はドムドムフードサービスを運営母体に全国およそ30店舗を展開。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳