黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(1月18日放送)にドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍が出演。ブティック店長から居酒屋を起業するまでの経緯について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月17日(月)~1月21日(金)のゲストはドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍。2日目は、ドムドムバーガーの社長に就任する以前の、ブティック店長から居酒屋を起業するまで---
黒木)独創的で話題性のあるメニューを次々と発表され、飛躍的に業績を伸ばしているドムドムハンバーガーです。それを牽引されていらっしゃるのが、2018年に社長に就任された藤崎さんです。もともとは専業主婦で、区議会議員の方とご結婚されて、そのままご主人を支えていらした。
藤崎)学校を卒業してすぐに結婚してしまったものですから、就職というものを経験したことがありませんでした。主人が病に倒れて家計を支えて行かなければいけないということで、働きに出ました。
黒木)最初の職場がご友人のツテで109のブティックだったと。
藤崎)そうですね。ヤングカジュアルです。渋谷の109全体がそのような流れになっていますが、そのなかのセレクトショップで働かせていただきました。
黒木)5年で業績が倍になったということです。藤崎さんの独創的なアイディアや意欲的な情熱などがあったのではないですか?
藤崎)普通のことだったと思います。まずは店舗をきれいにしましょうとか、スタッフ同士仲よく同じ目標を持って歩みましょうとか。あとは、具体的に商品構成を数値化して考えました。あくまでも日々の積み重ねだったと思います。
黒木)ただ、それで業績が伸びた。周りのスタッフの方は、やはり若い方が多かったのですよね?
藤崎)すごく若かったです。
黒木)そのようななかで、どのように奮闘されたのですか?
藤崎)39歳のおばさんが渋谷の109に来るわけですから、相手は驚かれたと思うのですが、図々しく仲よくさせていただきました。いい子たちばかりで楽しかったです。
黒木)ご主人が病で倒れられたということなので、介護と仕事と子育てを両立なさっていたわけですよね。どのようなモチベーションで乗り切られたのでしょうか?
藤崎)体力的には厳しかったと思います。朝にお弁当を2つつくって、主人にいろいろと準備をして、ヘルパーさんたちにお願いのメモを書いて、夜に帰ったら洗濯をしました。
黒木)大変ですね。
藤崎)ただ、私は働いたことがなかったので、仕事が楽しかったのです。109においては、若いと言っても、みなさんが私の先輩なわけです。彼女たちのカルチャーを聞くのも楽しかったです。介護だけではなくて外にも出られたということで、精神的にもバランスを取れたので、大変ではありますが、仕事が逆に自分の心の支えになったかなと思います。
黒木)にこやかにおっしゃってはいますが、大変だったとご想像します。
黒木)その後、109のブティックを5年でお辞めになって、次はアルバイトを始められた。このきっかけは何だったのですか?
藤崎)本当は継承させていただくことになっていたのですが、経営方針で変わってしまったので、どうしようかと思ったのですが、今度は109で自分で起業してお店を開こうと思いました。ただ、とりあえず働かなければいけないので、得意なことが料理だったので、居酒屋さんにアルバイトに入りました。
黒木)そこで隣が空いたから?
藤崎)そうなのです。お客さんに「斜め前のお店が空いたよ」、と言われて、「そうなんだ」と思っていたら、「やってみたらどうか」と言われました。「109で開業することを夢に持っているので居酒屋さんは考えていないです」と言ったのですが、109は出店したい方がたくさん待っているのです。「少し難しいかな」と思い出して来ていたころだったので、まずは手っ取り早く起業しようかということで、起業したという感じです。
黒木)すごいですね。思いついたらトライするという藤崎さんですが、それが今度はドムドムバーガーにつながっていくということです。
藤崎)そうなのです。
黒木)人生何があるかわからないということなのですね。
藤崎)本当にわからないです。
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藤崎忍(ふじさき・しのぶ)/ (株)ドムドムフードサービス代表取締役社長
■1966年7月、東京都墨田区生まれ。短大卒業後に区議会議員の男性と結婚。
■主婦として子育てなどに奔走していたが、39歳の時に夫が病に倒れ、商業施設「渋谷109」にあるブティックの店長として働き始める。仕事と介護を両立しながら5年にわたって働き、この期間で売り上げ倍増を達成。年商2億円という優良ショップへと導いた。
■2010年に退職すると、次は東京・新橋の小料理屋でアルバイト。その後、2011年に小料理屋の近くで居酒屋を開店。翌年には2軒目も出店。ご主人の介護も続けていたが、2016年12月に長期療養中だったご主人が急逝。
■その後も居酒屋で仕事を続ける毎日だったが、ドムドムハンバーガーの運営会社の人物が・そのお店の常連客で、新商品開発担当として藤崎さんをスカウト。2017年にドムドムハンバーガーの新商品開発担当として転職する。
■新規店舗の店長やエリアマネージャーなどを経て、入社から1年経たずして、2018年4月にドムドムフードサービス社長に就任。
■就任後は「ドムドムらしさ」にこだわり、メニューの刷新など様々な改革を断行。「カマンベールチーズバーガー」「丸ごと!!カニバーガー」など斬新なメニューを相次いで投入。業績を黒字に転換させた。
【ドムドムハンバーガー】
・1970年に誕生した日本で最初のハンバーガーチェーン。
・かつては全国350店舗を超えたこともあったが、他店との競合もあり・徐々に低迷。
・2017年にホテル運営のレンブラントホールディングスが買収。現在はドムドムフードサービスを運営母体に全国およそ30店舗を展開。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳