キャスターの辛坊治郎氏が2月3日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。市中感染が見つかっていたオミクロン株について「基本的に抑え込んだ」という中国北京市当局の発表の背景を解説した。
中国の北京市当局は明日4日のオリンピックの開会式を前に、市中感染が見つかっていたオミクロン株について「基本的に抑え込んだ」と発表した。1月15日以降、北京市内では115人の新型コロナの陽性者が確認されているが、そのうちオミクロン株は6人にとどまっているということだ。
辛坊)いま、中国は街全体、全員PCR検査みたいなことをやってあぶりだすという作戦をやっています。だけど、「1月15日以降、オミクロン株は6人にとどまっています」そして「中国の北京市当局は、オミクロン株の市中感染に関して『基本的に抑え込んだ』とオリンピックを前に発表した」と、ニュースの原稿であったわけですが、信じられるのだろうかと。あからさまに「こんなもの信じられるわけねえじゃん」とまでは言わないけれども、心情的には「こんなもの信じられるわけねえじゃん」と。
辛坊)今年は、中国では政治的な大きな節目が。共産党大会ですか。
飯田)そうですね。
辛坊)大きな節目があります。大きな節目があるということは、中国にとって「人事の年」なのですね。それぞれの地区ごとに共産党書記というのトップがいるわけですが、その自分の担当している地区の中で、例えば100人以上が死ぬような大事故が起きると、出世止まるとか、そういう暗黙のルールがたくさんあるんです。だから電車が事故を起こしても、とりあえずなかったことにして穴を掘って埋めちゃうみたいなことが起きるわけですよ。
電車が事故を起こして、穴を掘ったら埋めちゃう国で、こういう「人事の年」に、習近平という絶対権力者が「とにかく北京オリンピックの前にオミクロンは完全に押さえ込め」って、それぞれの自治体に大号令をかけているわけですよ。私がその地域の共産党のトップならば、「うち、オミクロン3人で抑え込みましたから」と。これがエボラ(出血熱)みたいに、みるみるうちに次から次へと人が死んでいくような病気の場合は、そういう嘘はつけないけれども、幸か不幸か、オミクロンというのはそういう病気ではないので、「うち、うちオミクロン出ていませんから。完全にうちは習近平様の言いつけ通り、当該地域においては、オミクロンは完全に押さえ込みました」ということではなかろうかという、想像をせざるを得ないと。
飯田)最初に武漢で(新型コロナウイルスが)出たときの、あの隠ぺい工作とか、その後の党の書記たちの更迭されぶりとかを見ると、当然そうなるなと。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)