植物の育たない世界で人が“花”となるまでの最期の2年を描いた漫画『フールナイト』の魅力

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2月6日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣(吉田尚記アナウンサー)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』(ニッポン放送・毎週日曜日23時30分~)が放送。吉田が、安田佳澄による漫画『フールナイト』のおすすめポイント3つを紹介した。

植物の育たない世界で人が“花”となるまでの最期の2年を描いた漫画『フールナイト』の魅力

番組内では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『フールナイト』をピックアップ。この漫画は、ぶ厚い雲に覆われ陽が差さなくなり、植物が枯れ酸素も薄くなった“未来の地球”を舞台としたSF作品。死期が近い人に種を植えて花とする“転花”という技術が開発された世界で起こる、人間ドラマを描いている。

今回吉田は、この漫画のおすすめポイント3つを解説した。

吉田:おすすめポイントその1は「物価がめちゃ高い」。この世界では、酸素とか一番基本となるものが供給されなくなっちゃったから、食べ物の値段とかが、めちゃくちゃ高いんです。その世界だと、肉とか食べられるのは貴族みたいな生活してる人たちだけ、みたいなことになったりして、みんな少しずつ気持ちが荒んでるんですよ。そういう未来って、分かんないけどありそう!みたいなところが、すごく怖いじゃないですか。だから、物語全体が、わりと“金”にまつわるサスペンスなんですよ。

ZOC・西井万理那(パートナー):へぇ~!

吉田:おすすめポイントその2は「人に究極の選択を突きつける」。死期が近づいてる人が、自分で花になることも選べるわけですよ。“転花”っていって、国の組織がそれをやってるっていう設定なんだけど、花になることを選ぶと、この物価が高い世界で、1000万もらえるんですよ。だからみんな最期、もう自分には長い寿命はないとなった瞬間に、じゃあ自分の残りの人生のために、もしくは残される家族のために、植物になっといた方がいいんじゃない?みたいな。だけど、命には替えられないし……みたいな、ギリギリの人間ドラマが描かれているんですよ。

西井:なるほど……

吉田:おすすめポイントその3は「なのに主人公がわりと抜けてる」。彼はいろんな事情を抱えて、物凄い辛い生活を送らされてるんですよ。でも、お母さんのために、もう自分は“転花”しますわ、と。半ばわざと体調悪くなるようなことをして、自分に種を埋め込んで。種を埋め込んでから大体2年ぐらいの間は、まだ人間として生きていられるみたいな。でも、段々植物になっちゃって、最終的には意識がなくなるんだけど、わりと軽率にそうなっちゃうんですよ。“転花”を選んじゃうんだけど、まだすぐは人間のままじゃないですか。その人間として生きる、最後の2年の物語なんです。

今まで読んだことがない設定のこの漫画について、熱く語った吉田。この作品は『ビッグコミックスペリオール』にて連載されており、コミックス最新第3巻が発売中となっている。また、2月10日までの期間限定で、第1集を各電子ストアにて無料で読むことができる。詳細は、公式サイトでチェックすることができる。

番組情報

ミューコミVR

毎週日曜日 23:30 - 24:30

番組HP

ニッポン放送初のVRアナウンサー「一翔剣(いっしょう・けん)」がお届けする、カルチャー・エンタメプログラム。YouTube Live上に『VR』空間を展開し、60分のラジオ番組を同時生配信! 一翔剣は、2019年に"HoneyWorks"ヤマコ氏のデザインによるVRアナウンサーとして活動開始。今回、アイドル・アーティストとして活動する西井万理那(ZOC)、末吉9太郎(CUBERS)を番組パートナーに迎え、『VR』空間でコラボレーションしていく!!

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