ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(3月16日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。山際新型コロナ対策担当大臣が18都道府県の「まん延防止等重点措置」の扱いを3月16日にも判断すると述べたというニュースについて解説した。
「まん延防止」3月16日にも扱いを判断へ
3月21日が期限となる18都道府県の「まん延防止等重点措置」について、山際新型コロナ対策担当大臣は都道府県の意向を確認した上で、3月16日にも扱いを判断する考えを示した。
飯田)東京都は15日、重点措置の延長を求めないことを政府に伝達しています。思えば2ヵ月。
佐々木)第7波も来るだろうと言われていますが、わかって来たこともたくさんあります。例えば、多くの人が後遺症に苦しんでいますが、後遺症は意外に深刻で、医学誌に掲載された論文によると、脳の一部細胞が萎縮する場合もあるということです。
新型コロナが収束したわけでもないのに、ウクライナ情勢によって忘れ去られている
佐々木)ヨーロッパやアメリカではマスクをしていない人が大量にいますが、日本はマスクが定着したおかげで、東京都でも感染者が2万人前後くらいで収まって来たという感じです。ただ、不思議なのが、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから、ニュースやネット空間でもそれ一色になり、コロナが忘れ去られた感じになっている。
飯田)確かにそうですね。
佐々木)実際、感染症専門医の方などをツイッターでフォローしているのですが、お医者さんたちでさえコロナのことをあまり言わなくなって、ウクライナ情勢についてツイートしている人が多いのです。感染が収束したわけでもないのに忘れ去られているというのは、いったい何なのだろうと思うのですよ。
スペイン風邪が収束した理由はわかっていない
佐々木)スペイン風邪は第一次世界大戦の後半に流行し、全世界で死者が5000万人とも1億人とも言われるパンデミックでした。スペイン風邪がどのように終わったのかを調べて、専門医の人に聞いたことがあるのですが、その専門医の人曰く、「収束した理由はわかっていないのですよ」ということでした。
飯田)わかっていないのですね。
佐々木)急に弱毒化したという話もない。今回の新型コロナウイルスも弱毒化しているわけではないですよね。オミクロン株による症状は比較的弱かったけれども、次に新しい変異株が出て来る可能性もあるわけだから、あまり状況は変わらない。
「終わった」と言うより「忘れられた」スペイン風邪 ~気が付いたら終わっていた
佐々木)では、「なぜスペイン風邪は終わったのですか?」と聞いたら、「終わったと言うより、忘れられたと言う方が正しいと思います」と言うのです。周りには風邪で死んだ人がたくさんいるのだけれども、気が付いたら、いつの間にか消えていたという、不思議な状態ですよね。
飯田)生き残った人には免疫ができるなど、いろいろな作用があったのですかね。
佐々木)災害であれば、復興が無事に進むなど、成果が目に見えます。3.11の被災地も、津波で流された跡を嵩上げし、整地しているではないですか。戦争だって、終われば「ウォー・イズ・オーバー」だと、「戦争は終わった」という宣言が出て、みんな歓喜の声を上げますが、パンデミックはそういうものがあまりない。気が付いたら消えている。
飯田)気が付いたら。
佐々木)新型コロナの流行が始まったときに、「世界中の人がこんな災害に巻き込まれることがあるのか」とみんな思ったはずです。スペイン風邪もそうだったはずです。でもスペイン風邪は、意外にも小説や映画、音楽などにはなっていないですよね。一生懸命調べたことがあるのですが、とても少ないのです。
飯田)そうなのですね。
佐々木)その瞬間のインパクトは強いのだけれど、あとから振り返ると「そんなことあった?」というような感じになるのが、実はパンデミックという災害の特徴なのかも知れません。
いつマスクを外すのだろう
飯田)現代から言うと、スペイン風邪はある意味インフルエンザの一種だと言われていて、結局、自然と共存していることになっている。
佐々木)毎年流行る季節性インフルエンザの香港型は、スペイン風邪の後継ですから。新型コロナもそうなって行って、一部が弱毒化する場合もあるかも知れませんし、「新型コロナも日常的な病気になるのかな」という感じはします。あと、いったい、いつマスクを外すのだろうということも気になります。
飯田)そうですね。
佐々木)顔を隠すことが当たり前になっていて、「マスクをしないと恥ずかしい」という人もたくさんいます。
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