3月12日(土)、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけしがパーソナリティを務めるラジオ番組「サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー」(ニッポン放送・毎週土曜13時〜15時)が放送。21年3月までtbc東北放送のアナウンサーだった藤沢智子さんが電話出演し、11日で丸11年が経った東日本大震災について語った。
同番組では『東北来てけさいんショー』と題して、宮城県出身の伊達と富澤が、震災から復興中の東北情報を発信するコーナーを毎週放送中。今回は、震災直後からラジオを通じて東北の姿を伝え続ける藤沢アナと電話を繋ぎ、東北の今や当時の状況を振り返った。
11年前の震災当日に気仙沼にいた伊達と富澤は、ラジオの生放送で藤沢アナの声を聴き、改めてラジオの大切さに気づかされたという。
伊達:本当にラジオには助けられた。情報源がラジオしかなかったから。
藤沢:映像がないぶん、音と言葉だけの伝わり方というのは、よりストレートな感じがするんですよね。
伊達:なるほど。
藤沢:だから、伝える側にいろいろなものが問われるところでもあるんです。でも、一生懸命伝えようとか、なにか感動したものを素直に言葉に出せば、それを聴いた人に絶対伝わるのかなと思います。
東島衣里アナウンサー(アシスタント):私、震災の後、大学生の頃に、勉強で東北に伺って出会った方がいらっしゃって。その方が私ぐらいのお嬢さんを亡くされていて、面と向かっただけで、言葉に詰まって感極まれていて。それ以来、この仕事をするようになってから、自分のちょっとした一言だったり、思ってもみないことで人を傷つけることがあるんだなと怖くて、発信する立場なので言葉にしないといけないなといつも思うんですけど、人を傷つけない伝え方を考え続けてはいるんですが……藤沢さんは、何かアドバイスありますか?
藤沢:私もいろいろな人を傷つけてここまで来ていて、その度にハッとさせられるんですけど、その自分の経験の中での想像だけでは、相手が思ってることはわからないので、より経験がないからこそ、いろいろな人の話を聞いたり、日々考えたり想像したりっていうのがすごく大事だと思うんですね。
伊達:うんうん。
藤沢:だから、そういう経験を糧にして、今度はどういうふうに言葉を紡いでいったら相手の気持ちに寄り添えるかを考えていく。今も、私の放送で至らなくて傷ついている人もいるんだろうなと思いながら言葉を選んでるんですけどね。でもそれは「これだから大丈夫」というのはないと思いますね。
伊達:難しいね。この仕事をしている限り、それはずっと悩みかもしれないね。
藤沢:そうです。そのためを思って発したことが、今度は別の人を傷つけているかもしれないっていう。言葉って、そういうことじゃないですか。
伊達:僕らの芸風もよく「人を傷つけない笑い」って言われるんですけど、とんでもなくいっぱい傷ついている方がいるんですよね。
藤沢:でも、“その言葉”じゃなくて“その人”っていうのがあるわけじゃないですか。サンドウィッチマンのお2人が、常日頃どういうふうに思ってやっているのかがわかれば、その一言で傷ついたとしても、「それがダメ」とはならない。だから、「どういうふうに生きていくか」いろいろなことを考えながら仕事をしていくのが大事なんじゃないのかなと思いますね。
震災当時、人々の支えになっていたラジオの意義や、伝える側の責任についても語った藤沢アナ。このアドバイスを受けて、「個人面談のように……勉強になりました」と受け止めた東島アナに、「(藤沢アナの)経験がすごいから、言葉一つ一つが刺さりますね……」と伊達もしみじみ語っていた。
番組情報
サンドウィッチマンがパーソナリティを務める生ワイド番組『サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー』