5月8日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣(吉田尚記アナウンサー)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』(ニッポン放送・毎週日曜日23時30分~)が放送。吉田が、原作・香川まさひと、作画・若狭星による漫画『辛辣なるグルメ』のおすすめポイント3つを紹介した。
番組内では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『辛辣なるグルメ』をピックアップ。この作品は、ネットを中心にグルメ評論を続ける男・半田彦助が、金と権力にまみれたグルメ業界をぶった切っていく、珍しいタイプのグルメ漫画となっている。
今回吉田は、Vtuberの叶(かなえ)をゲストに迎え、この漫画のおすすめポイント3つを解説した。
吉田:おすすめポイントその1は「逆グルメ漫画」。どういうことかというと、グルメ漫画のキャラクターたちって、大体食べて最初に「美味しい」って言うじゃないですか。この半田彦助は、まず初めに「いいお店だから行く」って言って行くわけですよ。だけど、一言目は大体「まずい」から始まるんです。わざと、ケチを付けようとして「まずい」って言ってる人じゃないんですよ。あくまで、美味しいはずの店が、なぜか分からないけど、本当にちゃんと味わったらまずいじゃん、と。しかも権威とかに負けないというか、いいお店だから絶対いいはずとかじゃなくて、ちゃんと食べた上で、「うわっ、まずい。何で?」っていうところからスタートするんですよ。そのお店がなぜまずくなってしまったかっていうのが、店によっていろいろあるんです。それを1つ1つジャーナリスティックに解き明かしていく、若干社会派なグルメ漫画なんです。
叶:へぇ~!
吉田:おすすめポイントその2は「美食におけるネットの功罪を知る」。いいところもあるわけですよ。今まで行ったことのない街で美味しいものを食べようと思ったとき、ネットのグルメ評論とか見るでしょ?でもそれって、どこまで本当に書かれたものなのか分からないっていう話が、つきまとうわけですよ。お店の人からお金をもらったりとか、食事をタダにしてもらって、その分絶賛のレビュー書く人がいたりする可能性を、どうしても捨てられないじゃないですか。で、それをする悪い奴がライバルとして出てくるんですよ。だけど、それをくぐり抜ける方法も一緒に考えていこう、みたいな。そういう社会派なところがある漫画だったりするんですよ。
叶:そっか……。へぇ~!
吉田:おすすめポイントその3は「“食”の定義がカッコいい」。大体の人が「美味しい」って言うものは確かにあるけど、自分は美味しいけど他の人はそうでもないってことはあるし、他の人は美味しいけど自分はそんなでも……っていうとき、あるじゃないですか。それの表現が、めっちゃカッコいいんですよ。子供の頃食べてたものって馴染みがあっておいしかったりするし、そういう“おふくろの味”が、人によって、国によって、別々じゃないですか。料理人も自分が美味しいと思うものを作るけど、その人にも自分が食べてきたものというのがあるわけですよ。なので最終的に、料理人が食べてきた料理の歴史と、食べる客の歴史の対決の場が“食事”なんだ、と。そう言ってて、カッコいい!って思いました。
カッコいい“食”の定義が描かれた漫画『辛辣なるグルメ』の魅力的な要素3つを語った吉田。この作品は『週刊ビッグコミック』にて連載中で、現在コミックス第1巻が発売中。詳細は、公式サイトでチェックすることができる。
番組情報
ニッポン放送初のVRアナウンサー「一翔剣(いっしょう・けん)」がお届けする、カルチャー・エンタメプログラム。YouTube Live上に『VR』空間を展開し、60分のラジオ番組を同時生配信! 一翔剣は、2019年に"HoneyWorks"ヤマコ氏のデザインによるVRアナウンサーとして活動開始。今回、アイドル・アーティストとして活動する西井万理那、末吉9太郎を番組パートナーに迎え、『VR』空間でコラボレーションしていく!!