「クアッド」において、立場が異なるインドを日本がどう引き寄せるか
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ジャーナリストの有本香が5月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本で開催された「クアッド」首脳会合について解説した。
「クアッド」首脳会合開催
日本、米国、オーストラリア、インドは5月24日午前、4ヵ国の協力枠組み「クアッド」の首脳会合を首相官邸で開催した。
ロシアに近く、他の3ヵ国とは態度が異なるインド
飯田)日米豪印4ヵ国(クアッド)首脳会合について、ここがメインイベントだと前々から言われていましたが、どうご覧になりますか?
有本)経済的な枠組みも含めて、この4ヵ国で連携を強めていこうということです。ただ、インドはウクライナ情勢に関しては、他の3ヵ国と態度が明らかに違います。
飯田)そうですね。
有本)日本はインドに対して、今後5年間で5兆円を投資する目標を掲げていますので、連携は強めていくと思います。アメリカに対しても、「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に復帰してもらえませんか?」という働きかけもあるでしょう。
飯田)なるほど。
有本)クアッドの枠組みについては、首相官邸による専用サイトも開設されています。国民レベルでも意識を共有していこうということだと思います。
飯田)首脳同士での話し合いは何回かありましたが、国民レベルに落としていく対応はこれからですよね。
政権が代わってもクアッドの枠組みを守るオーストラリア
有本)オーストラリアは政権が代わるということもあります。ただ、オーストラリアに関しては政権が代わっても、安全保障についてはこれまでも協議しているので、「基本路線は変わらない」と言う専門家やオーストラリアの関係者は多いです。クアッドの枠組みはきっちり守っていくということだと思います。
中国寄りになるソロモン諸島への危機感 ~日本もその危機感を共有しなければならない
飯田)オーストラリアとの関係だと、日本では「円滑化協定」もやっていますし。
有本)オーストラリアのメディアは「準軍事同盟」とはっきり言っていますね。
飯田)今回のオーストラリアの総選挙でも焦点となった、「ソロモン諸島が中国にかなり寄っているのではないか」という問題について、太平洋の国々の危機感や駆け引きは相当激しくなっていますね。
有本)そうだと思います。政権も代わりますし、人も変わるので、どうなるのかと。太平洋諸島に関する危機感については、日本ももっと共有しなければならないことです。
飯田)日本も。
有本)自民党の議員でも安全保障に熱心な方々は、ここ3年くらい、太平洋諸島の国々に中国の影響力が浸透していることについて、勉強会などを開いています。
太平洋諸島の国々に対して日本はもっと積極的に関与するべき
飯田)日本も島サミットを行い、ある一定の関与をしようと動いていたのですが、中国が相当、物量攻勢を仕掛けていますよね。
有本)あとは人間ですね。多くの中国人が入っています。しかも、太平洋諸島の国々のなかには、国籍を渡してしまうところも少なくない。つまり、中華人民共和国生まれなのだけれど、その国の国籍者である人が増えているのです。
飯田)中国から来て。
有本)それから、単なる投資行為というよりも、将来そこを踏み台にして軍事的な展開ができるように浸透しています。通信ケーブルの工事を請け負うようなことは顕著にやっていましたから、オーストラリアの危機感は非常に強いです。
飯田)なるほど。
有本)日本と太平洋諸島の国々は歴史的にも関係が深いので、日本はもっと積極的に関与すべきだと思います。
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