政権運営が苦しくなるマクロン大統領 第1勢力は維持したものの100議席減らす

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ジャーナリストの有本香が6月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。6月19日に決選投票が行われたフランス総選挙について解説した。

再選を決めパリの勝利演説の会場に登場したフランスのマクロン大統領=2022年4月24日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

フランス総選挙

フランス国民議会総選挙は6月19日、決選投票が行われた。中道のマクロン大統領の与党連合が第1勢力を維持したが、改選前から100議席も減らし、過半数の289議席を大きく割り込んだ。

飯田)国民連合、ルペンさん率いる右派が80議席以上増やす大躍進をしたことも話題になりました。一方で、急進左派もかなり議席を増やしたと。

国民連合が大躍進 ~苦しくなるマクロン大統領の政権運営

有本)右や左と言われるところが議席を増やしました。特に国民連合に関しては、日本で言うところの政党交付金を受け取ることになるので、資金的によくなっていくと思います。大統領選でもかなり躍進がありましたから、今後、支持を拡大していく基盤をつくりつつあるのでしょう。ヨーロッパではここ数年に関しても言えることですが、ヨーロッパ的に「極右」「極左」と位置付けられる政党が支持を拡大しています。

飯田)そうですね。

有本)従来の中道にある政権与党的なところは、支持を拡大し損ねています。共和党は連立を拒否しているようですが、今回は連立をうまく組まない限り、かなり野党側に譲歩していかないとマクロン大統領の政権運営は厳しくなります。

飯田)なるほど。

有本)ここから言えるのは、日本の場合、国が危機に陥ると保守政党あるいはそれまでの与党である自民党が強い傾向にあるけれど、ヨーロッパなどは必ずしもそうではない。物価高など、いまの国民の不満に対応して「現状ではいけないのだ」という方向に行きます。

飯田)国民の不満に対応して。

有本)それから数年来、イギリスのブレグジットの動きや、ヨーロッパ各国での「EUを離脱してもいいのではないか」「ユーロはどうなのだ?」という動きには、極右や極左と呼ばれるところがアジェンダを出しています。

従来の「右」「左」は意味をなさなくなり、「国民の悩みをどうすくい上げるか」がポイントとなる

有本)日本でもややそれに近い傾向が見られると思うのですが、例えばれいわ新選組は、かなり左に寄っている政党だという認識を私は持っています。しかし、従来の右左という考えがあまり意味をなさなくなっているのかも知れません。右派の新しい政党勢力が今回は出てきていますよね。部分的に見ると、同じようなことを言っている側面もあります。

飯田)税金の部分ですね。「消費税を下げよう」といった。

有本)あるいは「国民にもっとお金を還元しろ」ということですね。この辺りはかなり近いことを言っています。従来の右左が意味をなさなくなっていて、「国民の悩みをすくい上げるかどうか」というところがポイントなのだろうと思います。

飯田)従来の右左の物差しは、ある意味イデオロギーの部分だったけれども、そうではなく国民の生活であるとか。

有本)安全など。そこに切り口が出てきている。

飯田)「既存の政党は俺たちの気持ちをわかっていないではないか」と。

有本)不満がそういうところへ出る可能性はあります。

国民の不満をすくい上げる政党が出てこなかった日本

有本)日本でも、右左の少数政党がある程度の議席を獲るという予測はあります。ある程度と言っても非常に少ないのですが、いきなり出てきて数議席でも獲れれば大変なことです。

飯田)先進国共通の悩みというか、どうすくい上げて政策に生かすかという。そこが目詰まりしている部分が大きいのでしょうか?

有本)あるでしょうね。いままでの支配層という言い方も古いですが、エスタブリッシュメントに対して「それでは国民の生活はよくなっていませんよ」と。右と左で何が違うかと言うと、日本では国体に対する考え方が違うくらいで、経済政策や社会福祉に関しては近いところがあります。

飯田)国体に対する考え方や、安全保障では違いがあるけれども、コアの部分の不満をすくい上げられない。そこが目詰まりしているというのは、閉塞感が長く続いているからそうなっている部分も大きいかも知れませんが、ここ20~30年の経済政策が疎かになっていたことへのツケもあるのでしょうか?

有本)あるでしょうね。日本は賃金に関して、90年代からほとんど上がっていないわけです。その不満をすくい上げて、一気に躍進する野党が出てこなかったことが不思議なくらいです。

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