数量政策学者の高橋洋一が7月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」に出演。オーストラリアで開催されるクアッドのエネルギー担当大臣による会合について解説した。
クアッドのエネルギー担当相会合が開催へ
日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヵ国の枠組み「クアッド」のエネルギー担当大臣による会合が7月13日、オーストラリアで開かれる。日本からは萩生田経済産業大臣が出席予定。
飯田)オーストラリアは、エネルギー供給国でもありますが。
日本がオーストラリアから石炭を輸入し、日本の技術でCO2を出さずに火力発電する ~オーストラリアの石炭の行き場もなくならない
高橋)中国が(オーストラリアからの)石炭を受け入れなくなってしまったのであれば、日本が石炭を受け入れて、日本の技術でCO2を出さずに火力発電すれば、短期的にはそれで食いつなげるのです。
飯田)「石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)」という石炭のガス化発電など、新しい技術がさまざまあります。
高橋)そういうものを使い、「日本は石炭を輸入して発電しているのに、排ガスが出ないではないか」という技術を世界に見せつけるのはいいことです。オーストラリアの石炭も行き場がなくならずに済みます。
CO2の出ない日本の石炭ガス化発電の技術をドイツにも売り込み、EUに認めさせる
飯田)一方で、ドイツなどは天然ガスが入ってこなくて困っており、石炭に切り替えるかと。
高橋)原発はないですし、石炭を炊いてしまっても仕方がないでしょう。それであれば日本の技術を使って、「石炭を炊いているのだけれど、CO2が出ません」と言った方がいいではないですか。
飯田)原発と天然ガス火力に関しては、EU全体でも「これはエコだ」ということで、過渡期にはこれで発電するということになっています。
高橋)原発は完全にエコですよ。天然ガスもCO2があまり出ないから、これもエコでしょう。
飯田)そこに、新技術の……。
高橋)石炭も、CO2を出さなければエコでしょう。ロジックは一緒です。CO2が出るか出ないかだけですから。
日本の火力発電を途上国の老朽化した火力発電と取り換える ~一帯一路への対抗にもなる
飯田)新しい技術を、もしもEUが認めることになったら、日本にとっては大きいですよね。
高橋)ドイツは石炭で発電するのでしょうから、日本との差がはっきり出るのではないでしょうか。日本の技術を使えばCO2が出ないのだから「いいでしょう」ということで、いいではないですか。
飯田)それを、途上国の老朽化した火力と取り換えれば。
高橋)いまはCO2がたくさん出るものを中国が輸出しているのですから、対抗にもなります。
飯田)一帯一路への対抗にもなりますか?
高橋)なると思います。ですから、クアッドのエネルギー相会合のときにオーストラリアを使って、そのくらい大きなデザインで話をするべきです。
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