数量政策学者の高橋洋一が7月27日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。安倍元総理の国葬について解説した。
臨時国会、8月3日召集
参議院選挙を受けて新しい参議院議長などを選出する臨時国会は、8月3日に召集されることとなった。与党側が会期を3日間としたいと提案したのに対し、野党側は安倍元総理の国葬などについて議論する必要があるとして、十分な会期を確保するよう求めた。
安倍元総理の追悼演説は野党が行うべきなのか ~甘利前幹事長が行う方向で調整を進めている自民党
新行)臨時国会では参議院の正副議長選出の他、暗殺された安倍元総理への追悼演説が行われる予定です。この追悼演説について、自民党はご遺族の意向も踏まえ、甘利前幹事長が行う方向で調整を進めているということです。しかし、立憲民主党の西村幹事長は、国会での追悼演説は他党の議員が行うのが慣例で、通常であれば野党第1党である立憲民主党から演説者が出るはずだと指摘しています。
高橋)どう演説してもらうかというのは、「どう評価するか」という話です。雇用をつくったのは安倍さんです。立憲民主党はつくれなかったのですが、それはどのように言うのでしょうか。「賃金が……」などと言うのでしょうか。個人的に、どういう演説になるのかは興味深いです。
国葬についての説明はするべき ~国費としては大きな支出にはならない
高橋)逆に野党も、追悼演説で番が回ってきてしまったら大変だろうと思いますが。自民党もそれで引き受けたのかも知れないなと思うくらいですけれどね。そもそも立憲民主党の泉代表も、最初は「国葬でいい」と言っていたのが、途中から「反対」と言い始めたでしょう。
新行)国葬について国費を使うので、きちんと説明するべきなのではないかと言っているという。
高橋)国費を使うのは間違いありませんから、説明はした方がいいです。でも、国費と言っても数億円というレベルで、大きな国費の支出ではありません。数億円というレベルですと、内閣官房報償費(機密費)というものがありますが、あの範囲でできてしまいます。
国葬となれば、外交としてG20などよりもはるかに効果的 ~国際的に日本をアピールするいいチャンス
高橋)弔問外交ということなら、外務省が出しても支障はないというくらいのものです。金額の話ではなく、「こういうことで弔問外交をしたい」と説明した方が、国民としてはわかりやすいでしょう。ここでの弔問外交は、G20やG7よりはるかに効果が高いです。いろいろな人を呼べるので大きな効果があります。それを説明すればいいだけだと思います。
新行)国葬を行うことで各国首脳が日本に来る。
高橋)国葬は正式な主催者が国だから、招待できるでしょう。それでいろいろな人に来てもらう。武道館で行うのでしょうけれども、あそこは警備しやすいし、国際的にアピールするいいチャンスになります。
新行)そうですね。
高橋)安倍さんにそう言えば「それでいいよ」と言うと思いますけれどもね。国際的な観点から考えると、国際会議を行うのは大変ですが、国葬であれば、一石何鳥にもできるでしょう。
新行)国葬であれば。
高橋)平和外交をして習近平さんを呼び、民主主義国のなかにポツンと入れれば、面白いではないですか。ロシアのプーチンさんは呼べないということですけれど、あえて呼んでしまって、米露中で会談してもらい、そこに日本が入ってもいいではないですか。
新行)米露中のなかに。
高橋)大阪で開催されたG20のときに、安倍さんが真ん中にいて、隣にトランプさん、その隣に習近平さんというすごいショットがあったではないですか。たまたま狭い会議室で狭い机になってしまったのだけれど、あのショットはすごいですよね。弔問外交のなかで、日本が国際社会にアピールするいいチャンスだと思います。
各国の要人を招き平和の祭典として「安倍元総理の国葬」を行う
新行)国会の3日間の会期に関して、もっと十分な会期があった方がいいというのが野党側の主張です。
高橋)会期を延ばすのはいいと思います。国葬の説明をしろと言われれば簡単ですから。いろいろな人が「法律の根拠がない」などと言っているのだけれど、根拠はすべてあります。「各国の要人をたくさん呼んで平和の祭典をしよう」ということで、簡単に説明できる話です。なぜか政府はそういう説明をしないのです。
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