外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が7月29日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。7月27日に行われた岸田総理とインドネシア・ジョコ大統領の会談について解説した。
インドネシアが日本産食品の輸入規制を完全撤廃
岸田文雄首相は7月27日、インドネシアのジョコ大統領と官邸で会談した。両首脳は中国の海洋進出を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けて緊密に連携する方針で一致した。
新行)7月27日に岸田総理がインドネシアのジョコ大統領と会談しました。新聞の見出しなどによると、「日本産食品の規制全廃」や「海上保安分野での協力推進」などと報じられています。東京電力福島第一原発事故を受けた日本産の食品に対する輸入規制の完全撤廃を表明したということです。
ASEAN諸国のなかで影響力を持つ大国であるインドネシア
宮家)インドネシアは億単位の人口を持っていますが、アジア地域の島国で民主主義をやっている国は、日本とインドネシアしかないのではないでしょうか。しかも、ASEAN諸国のなかでは、人口の点や資源、影響力を考えると大国ですよね。
新行)ASEAN諸国のなかでは。
宮家)当然ながらG20に入っているわけだけれども、2022年の議長国ですので、ジョコ大統領は各国を回っているのだと思います。ジョコさんは安倍さんのような外交好きというわけではないので、いま各国を回って、秋のG20首脳会議をどのような形で議長として仕切るか、その案を練っているのでしょうね。
重要な日本の海上保安分野での協力
宮家)まず、当然なのですけれども、日本産食品の規制撤廃というのはよくやってくれたと思います。
新行)日本産食品の輸入規制の撤廃を。
宮家)もう1つ重要なのは、海上保安分野での協力です。簡単に言うと、今中国がいろいろな軍事基地をつくって南シナ海における影響力を拡大させていますが、そ宇した活動が南下しているわけです。
新行)中国の影響力が。
宮家)南シナ海を南下していくとインドネシアまで行ってしまうわけです。島国ですからね。
インドネシアの海上警察活動に日本が協力 ~インドネシアの能力が高まり、地域の安定につながる
宮家)インドネシアは、これまではこうした動きにあまり関心がなかったかも知れませんが、さすがに中国の影響力が強まってきて、そういうわけにもいかなくなった。そうすると海上警察活動をきちんとしなくてはいけません。軍事とは別ですから、日本も協力しやすいということもあって、巡視船を供与するなど、いろいろと技術協力をしているのだと思います。そうすることによって、実際にインドネシアの能力が高まり、地域の安定につながるということだと思います。
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