ジャーナリストの有本香が8月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。閣僚らの靖国参拝について解説した。
「閣僚らの靖国参拝」が問題になるのはなぜか
飯田)77回目の終戦の日ということで、高市大臣らの靖国参拝に対し、中韓などがさまざま反応しています。中国は「戦後の国際秩序への挑戦である」と副報道局長が言っています。
有本)閣僚らの靖国神社参拝、与党幹部の参拝。毎年、それに問題があるかのように騒いでいるではないですか。「靖国問題」とされることをなくすために、どうしたらいいかと言いますと、きょう、ここでも取り上げているのに言うのは何なのですが、ニュースにしなければいいのです。日本のメディアはあたかも問題があるかのように取り上げますが、大騒ぎをしなくなったとき、この問題はなくなると思います。
日本のメディアが大騒ぎしなければ、中韓は何も言わない
有本)中国や韓国についても、日本国内で騒ぎになるから、このように言ってくるのです。8月15日に閣僚であろうが閣僚でなかろうが、政治家であろうがなかろうが、思いのある人が靖国神社に英霊、国のために戦って命を失った方々の御霊……あそこには遺骨や遺品があるわけではなく、敬意と感謝を表すために行くのだと。単なる8月15日の1つのできごとであり、あまり大騒ぎしないという状況になれば、中国や韓国はおそらく何も言わなくなると思います。
一部の左派的な人が「政教分離に反するのではないか」と言い出した
飯田)かつて三木政権で「私人だ、公人だ」という話があり、そのあとも当時の中曽根総理が公式参拝するということもありました。しかし、それ以前のことを考えると、特に何もなかったわけですよね。
有本)ある日突然、日本国内で一部の左派的な人たちが言い出したわけです。これは政教分離に反するのではないかと。そこで三木さんの「私人としての参拝だ」という言葉が出てきたのです。
飯田)一部の左派的な人が。
有本)靖国問題が問題化された時代をリアルタイムで知っているのは、私たちの世代になるのだけれど、1980年代までは、公式参拝することは「政教分離に反する」と言われていた。
中曽根元首相の公式参拝が問題になった理由
有本)ところが、それが通用しなくなると、1985年に中曽根さんが「公式参拝する」と言った途端、中国が文句を言ってきた。これも当時の朝日新聞がご注進に及んだという経緯があるわけです。そうしなければ中国も何も言ってこなかったのです。
飯田)報告がなければ。
有本)今日でもこういうことを言う人がいますが、靖国神社には、先の大戦で戦後にA級戦犯とされた人たちが合祀されているから、それが問題だと。その人たちを除けばいいのではないかと言っているのですが、神道では一度お祀りされ、神様になっているわけです。それを除くことはできません。分祀するというのは、言ってみれば蝋燭の火を分けるように、それぞれまた別のところへ分けていくということになるのです。
飯田)祀られている神様を他の場所でも、という形で。
有本)そういうことになるわけです。
飯田)一部を除くことはできない。
有本)また、「A級戦犯が問題なのですか」という話ですが、A級やB級というのは罪の重さでも何でもないのです。A・B・Cというカテゴリーの話であり、戦勝国側が一方的に決めたものです。
「戦犯の名誉回復」が国会で全会一致で決議
有本)戦犯に関して、3~4年前に出た『「日本国紀」の副読本』という本で纏めたことがあるのですが、昭和27年にアメリカの占領軍、事実上の米軍が日本から出て行き、日本は主権を回復します。サンフランシスコ講和条約で主権を回復した途端に、我々の先人は何をしたかと言うと、大きな社会運動が起きて、国会で「戦犯の名誉回復をしよう」ということで決議されるのです。
飯田)国会で。
有本)当時、日本の人口約8500万人のうち、4000万人の署名が集まりました。戦犯を助けようということで、国会でもほぼ全会一致で戦犯の名誉回復の決議が行われたのです。だから、今回のこともまったくナンセンスな話です。
飯田)そうですね。
有本)終戦の日に、普通に神社にお参りするのだと。それだけのこととすればよいのであって、メディアが大騒ぎしなくなれば、問題ではなくなると思います。
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