「軽症者は自宅療養」と言われるも、感染者にとっては「軽くない」BA.5症状 ~医師が行う判断をいかにして自宅療養者ができるようにするのかが課題

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ジャーナリストの佐々木俊尚が8月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「BA.5」によって変化する新型コロナウイルス感染症の状況と対応について解説した。

「軽症者は自宅療養」と言われるも、感染者にとっては「軽くない」BA.5症状 ~医師が行う判断をいかにして自宅療養者ができるようにするのかが課題

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

病床使用率が100%を突破した沖縄の現状

飯田)新型コロナへの対応について、経済と感染抑止のバランスの見極めが政治の役割であると。

佐々木)コロナ禍になり、2年半近く経過して見えてきたものもあります。いちばん大きかったのは、ワクチン接種が広がったことです。いまは3回~4回ですが、ワクチン接種をすれば重症化はしにくい。

飯田)亡くなる人も少なくなりました。

佐々木)現状では経済と感染防止のどちらかに振り切る必要はあまりなく、「感染防止をしながら、経済を回すことは可能だ」という共有認識ができています。対策としてはワクチンを打つことと、マスクをきちんとすることです。その2つさえ守っていれば、経済を回すことは可能になってきた。

飯田)感染防止をしながら経済を回すことが。

佐々木)しかし、3密をどこまで許容するのかは難しいところで、イベントはどうするか。先日、徳島で「2022阿波おどり」が開催されましたが、マスクをしないで踊ることに対しては議論がありました。ただ、「ワクチン接種とマスク着用をきちんと行えば、ある程度は大丈夫だ」という議論にはなってきています。

飯田)そうですね。

佐々木)一方で沖縄のように、感染爆発状態のところもあります。今朝ニュースを見ていたら「病床使用率100%突破」と報道されていました。怪我をしても、急病になっても入院できない状況になってしまっています。病床の大半を使用しているのは、本州などからの観光客です。

飯田)観光に行って感染した人が。

佐々木)熱が出て、PCR検査をして、「陽性の結果が出たら沖縄から戻れない」という状況になりそうな人が、怖がって飛行機に乗って帰ってしまう。飛行機はすごい状況になっていると思います。沖縄だけではなく、東京や本州も同じです。どこも病床がいっぱいになってきていて、発熱外来も長蛇の列となっているようです。これをどうやって抑えるかが次の課題になります。重症化して死ぬ人は少ないですが、病院の機能が麻痺しているような状況です。

軽症の人は自宅療養と言われるが ~喉が切り裂かれるように痛い症状も

飯田)よく言われるのが「大半は軽症の人だ」ということです。軽症と言っても、お医者さんの認識は我々とは違い、「酸素吸入の必要がなければ軽症だ」ということです。そうすると対症療法など、薬で治していくことになりますが、苦しくなると「入院させてくれ」ということになってしまう。

佐々木)「入院させてくれ」という判断が難しいように思います。「全数把握」の見直しを政府が言い出しています。いままでは全数検査を行い、全員を特定するやり方でしたが、発熱外来が麻痺して回らなくなってきています。だから自分で判断して、熱が出たら自宅で寝ていてくださいと。仮に発熱外来に行ったとしても、出せる薬はロキソニンや熱さまししかなく、市販薬を飲むのと変わらないので、家で寝ていてくれという話です。

飯田)軽症の場合は自宅療養して欲しいと言っています。

佐々木)ただ、オミクロン株「BA.5」は喉の痛みが半端ではないらしいのです。「ナイフで切り裂かれるように痛い」という報告があります。家で寝ていて、喉が切り裂かれるように痛く、熱も40度近く出ている状態で「自分はまだ家で寝ていていいのか」という判断ができるかというと、わからないですよね。

医師が行う判断を自宅療養者ができるようにするには

佐々木)そうすると救急車を呼ぶという話になりますが、呼んでも来てもらえない。来てもらっても入れる病院がない。そういう状況になっていると思います。「どうやってお医者さんの行う判断を、自宅療養している人ができるようにするのか」が次の課題だと思います。

飯田)症状が軽ければ、解熱鎮痛剤を飲んで家で寝ています。まさに私はそうでした。それで十分に回復してくる病気でもあります。

佐々木)人によってだいぶ症状は違うようですね。

国が抗原キットを全国民に配布し、「マイハーシス」に登録すればいいのでは

飯田)「全数を検査することや、無症状の人まであぶり出して自宅待機させていては社会が回らなくなる」という議論に、ようやくなってきました。

佐々木)「休むならコロナの証明書をもらってこい」と言う会社もあるようですが、とりあえずそれはやめましょうという話ですよね。

飯田)「My HER-SYS(マイハーシス)」のシステムのなかで証明書も出せるという話がありますが、まだ浸透していません。

佐々木)国が抗原検査キットを国民全員に行き渡らせ、自分で検査してもらい、「マイハーシス」に登録する。そして証明書をウェブで出してもらって会社に渡すような仕組みにした方がいいと思います。東京都はそちらの方向に動こうとしていますね。

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