東京都医師会地域医療推進委員会委員で「いとう内科クリニック」院長の伊藤大介氏が8月2日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルスに感染したと思われる場合の対処の仕方について解説した。
子どもからの家庭内感染が多い ~新型コロナ感染
新行市佳アナウンサー)新型コロナウイルスに感染したかどうか、どのような症状から判断できますか?
伊藤)コロナ感染症は普通の風邪症状とまったく同じです。例えば小学生のお子さんが熱を出したり、自分も2~3日後に熱が出てきたようなパターンですと、新型コロナ感染の可能性が高くなります。症状としては、喉の痛みや鼻水、倦怠感というところですが、倦怠感が出る前にかなり熱が出ることもあるので、いまの時期の発熱・高熱はやはり新型コロナの可能性が、どの年代においても高いと言えます。
新行)この時期の発熱は。
伊藤)そして小さいお子さんのいるご家庭では、必ずしも保育園児や幼稚園児が新型コロナのチェックをするわけではありませんので、夏風邪と紛れている場合が少なくありません。そのなかで親御さんたちも同じような熱が出てきたということになれば、親御さんたちが新型コロナの検査をして、結果的にお子さんも新型コロナだったという流れはあるかも知れません。
新行)いわゆる家庭内感染ということですか?
伊藤)家庭内感染ですね。かなり多いです。
感染の疑いがある場合、解熱剤を飲み、手持ちの検査キットでチェックするなど自分でできる限り対処する ~陽性であればかかりつけ医に連絡
新行)まず感染したかも知れないと思ったときには、どういう行動をすればいいですか?
伊藤)まずは発熱があっても焦らず、それぞれの地域の発熱センターや保健所に電話してください。いまは見つかりにくい状況にありますが、手持ちの解熱剤で一晩様子を見たり、手持ちの検査キットでチェックするなど、まずは自分たちのできる範囲で、持っている駒で、可能な限りセルフメディケーションもしくはセルフジャッジをしていただきたいというのが現場からのお願いです。
新行)まずは自分で対処する。陽性の結果が出た場合は、いつも自分がお世話になっているかかりつけ医の先生に連絡すればいいですか?
伊藤)それがいいと思います。熱が出ていきなり救急車を呼ぶ、救急外来に行くということはしなくていいと思います。新型コロナ感染症の特性として、最初の数日は確かに熱が出るのですが、そこで急激に悪化するということはないのです。
新行)最初の数日で急激に悪化することはない。
伊藤)仮に悪化するとしたら、以前の株もそうですが、数日後に起きてくるということになりますから、逆に言えば2~3日の間に判定していただければと思います。
新行)2~3日の間に。
伊藤)自宅の検査キットで陽性が出た場合には、電子媒体(携帯電話)のカメラでそれを撮っておいていただき、そのあとにかかりつけ医に連絡してください。電話初診の形になって、「HER-SYS(ハーシス)」という登録画面に私たちはいきます。患者の方の個人情報を入力し、その方の携帯電話にハーシス側から見守り事業のショートメールが届いたかどうかを確認して、見守り事業のなかに参画してもらいます。
練馬区の新型コロナの療養システム
新行)例えば喘息など、日頃飲んでいる薬がある人で、「その薬がなくなりそう」という不安があるときはどうしたらいいですか?
伊藤)喘息に関しては、途中から症状が出てきます。初日から出るという方よりも、10日間の療養のなかで多少よくなって、分泌物が多くなってきてから喘息の症状が出ることがあります。私たち練馬区では薬剤師会が薬の置き配システムをつくっていますので、いわゆる新型コロナの療養システムのなかに組み込まれた方たちは、そのなかに入ります。私たちが喘息の処方箋を切って、薬剤師さんにお願いし、薬剤師さんたちがその方の家まで喘息の薬を届けにいきます。
新行)薬剤師さんが届けてくださる。
伊藤)苦しくても救急車を呼ぶ必要も、救急外来に行く必要もありません。私たちが電話で症状を聞いて、薬剤師さんにフォローをお願いする。そのような流れができています。
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医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます