東京都は斡旋だけで、実際にお金を出すのは2つの金融機関 ~都の外国人起業家資金調達支援事業 

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数量政策学者の高橋洋一が8月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。東京都の外国人起業家への支援事業について解説した。

都議会定例会で施政方針を表明する小池百合子知事=2022年2月16日午後、都議会 写真提供:産経新聞社

東京都による外国人起業家の資金調達支援事業

東京都では、外国人が東京で起業しやすい環境の整備を図るため、外国人起業家に向けて金融機関からの融資と、融資前後の経営支援を組み合わせた取り組みを6月28日から開始している。この事業に対し、海外の起業家の利用が増えることで、資金を持ち逃げし放題となる可能性に批判の声が集まり、ネットでは炎上している。

飯田)借りたまま逃げてしまうのではないか、というような声が出ているのですが、制度としてはどうなのですか?

実際に貸し出すのは「きらぼし銀行」と「第一勧業信組」 ~東京都は斡旋をする

高橋)「無担保・保証人不要」と聞くと、そう思うでしょうね。しかし、「東京都が」という話ですが、報道では「誰が貸す」という主語を書かないのです。

飯田)イメージとしては、東京都が自分の金を貸しているように思えますが。

高橋)そう思うでしょう。でも細則を見ると、実際に金を貸しているのは民間金融機関です。「きらぼし銀行」と「第一勧業信組」という2つの機関がお金を貸し出すのです。

東京都が斡旋して、民間金融機関が無担保・保証人不要で貸す

高橋)貸し出すのだけれど、東京都がどういう役割を果たすかと言うと、斡旋です。

飯田)斡旋。金融機関との橋渡しをするということですか?

高橋)斡旋という行為はほとんどリスクを持たないのです。そのまま読むと「東京都が斡旋して、民間金融機関が無担保・保証人不要で貸す」という制度ですね。

飯田)保証人不要ということは、都が自ら債務保証するということではないのですか?

高橋)通常は斡旋したときに多少の責任があるので、一部を負担することもなくはないのだけれど、正直言って、そこはよくわかりません。

東京都の負担はどこにあるのか ~融資審査は行われる

高橋)ポイントは「東京都の負担はどこにあるのですか?」ということです。民間金融機関から持ち出されるのであれば、民間金融機関がきちんと審査するでしょう。実際、東京都の斡旋のなかにも「融資審査の結果、希望に応えられないこともある」ときちんと書いてあるということは、きちんと審査するということです。

飯田)審査がある。

高橋)審査するということは、そう簡単に持ち出しはできないでしょう。持ち出されたら金融機関が困ってしまいます。逆に言うと、金融機関がルーズに対応していたら背任になってしまうかも知れないので、一定の歯止めはあると思います。

間に立つ統括支援機関は「東京インキュベーション株式会社」

高橋)では、間に立つ人は役人なのかと言うと、そうではありません。統括支援機関というものがあって、そこが間に立っていろいろなことをやるようです。「東京インキュベーション株式会社」という機関です。

飯田)統括支援機関。

高橋)どういう構成になっているのかということは、新しくできたばかりだから、人的構成もネット上ではよくわかりませんでした。

統括支援機関である「東京インキュベーション」への支援金は約10億円

飯田)全体の枠組みの図解を見ると、東京都から統括支援機関である「東京インキュベーション」への矢印は「補助金」と書いてあります。

高橋)議会の資料を見ると、補助金は10億円と少しありました。この手の事業で10億円は大きいかなと思います。

飯田)なるほど。統括支援機関の部分は、取扱金融機関との間で「連携して外国人起業家を支援」と書いてあり……。

高橋)ただの斡旋ですよ。東京都はいろいろな手続きを請け負うだけですね。

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