4省庁でサイバー攻撃 背景にはロシアによるウクライナ侵略
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中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が9月8日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。日本政府のサイトが受けたサイバー攻撃について解説した。
サイバー攻撃、4省庁で影響 ~親露派ハッカーが続行宣言
新行)政府が運営する電子サイトなど合わせて4省庁23サイトがサイバー攻撃を受け、親ロシア派のハッカー集団「キルネット」が「日本国政府全体に宣戦布告」とのメッセージを載せたということです。
野村)DDoS攻撃と言われていますが、さまざまなパソコンを乗っ取って、そこから大量に省庁など特定のサイトにアクセスします。すると容量を超えてしまい、システムダウンしてしまう。そういう攻撃が展開されているということです。
背景にはロシアによるウクライナ侵略が
野村)この種のサイバー攻撃は、現在の社会インフラがさまざまな形でDX化しているため、命に関わるようなシステムがダウンしてしまう可能性もあり、軽視できない状況です。しかし、背景にはロシアによるウクライナ侵略があるということは言えると思います。
システム管理の弱いところのIPアドレスが乗っ取られている
新行)政府のサイト以外にも、JCBや名古屋港管理組合、ニコニコ動画、東京メトロなどが攻撃を受けたということです。
野村)どこにでも攻撃するようですが、その前にサイトが乗っ取られている部分があるということです。1人が何回アクセスしても、それほど大量にはならないので、いろいろな人になりすまして大量にアクセスしているという状態です。
新行)いろいろな人になりすまして。
野村)システム管理が弱いところのIPアドレスが乗っ取られているという状態ですから、そこを塞いでいかないと、攻撃しやすい国になってしまいます。
いたちごっこのようなサイバー攻撃とセキュリティ強度の関係
新行)現状、日本のセキュリティはどうなのですか?
野村)政府関係団体がサイバー攻撃を受けて、個人情報が流出したという事件が、かつて日本年金機構で起こったことがありました。日本の政府関係機関のシステムを守っている「NISC」は、この事件を1つの大きなきっかけとして徹底的に点検し、さらにシステムを強化したのです。
新行)NISCが。
野村)システムは日進月歩で強化されてはいるのですが、ハッカーの技術はその上をいくのです。ハッカーは「政府のシステムをダウンさせたぞ」ということを勲章のように扱う集団なのです。ある程度セキュリティを上げると、また次の攻撃を受けるといういたちごっこのようなところがあります。
サイバー攻撃によってサーバーがダウンすることで社会インフラが止まってしまう
新行)現時点では、情報漏洩などは確認されていないということですが、こういったサイバー攻撃が今後もさらに続いていく可能性がありますよね。
野村)そうですね。かつては個人情報の流出が注目されましたが、今回のようにサーバーがダウンすることによって社会インフラが止まってしまうなど、そういうことに対する警戒感も重要になってきます。
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