確実に技術を上げる北朝鮮のミサイルから「日本をどう守るのか」

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ジャーナリストの有本香が9月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮が日本海に向けて発射した弾道ミサイルについて解説した。

確実に技術を上げる北朝鮮のミサイルから「日本をどう守るのか」

北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射を報道するソウル駅のモニター (Photo by Anthony WALLACE / AFP) 撮影日:2022年06月05日 AFP=時事 写真提供:時事通信社

北朝鮮の弾道ミサイル、変則軌道で650キロ程度飛翔と推定

浜田防衛大臣は9月26日の会見で、北朝鮮が9月25日に発射した弾道ミサイルについて分析を進めた結果、「変則的な軌道で約650キロ程度飛翔したと推定される」と述べ、当初の発表を250キロ程度上回る距離を飛行していたことを明らかにした。

飯田)25日朝に発射された弾道ミサイルは、変則軌道だと。

有本)北朝鮮のミサイルが変則軌道のものに変わったのは、2019年、3年くらい前ですかね。この番組でも「大変なことだ」と言って扱った覚えがあります。

飯田)そうですね。

有本)変則軌道になると、迎撃が相当難しくなるという状況です。

ミサイル技術を確実に上げている北朝鮮 ~未だ迎撃一本の日本

有本)日本の場合、そもそも弾道ミサイルを撃たれたら、「こちらも撃つぞ」という構えがないわけです。

飯田)日本には。

有本)アメリカ軍がどのように反撃するかというところもありますが、迎撃するという体制です。日本としては、反撃能力を持たずに迎撃一本なのだけれども、例のイージスアショアも代替案がないままに計画がとん挫してしまった。

飯田)あのままですね。

有本)いまや向こうはレベルを上げてきているし、飛行距離も分析してみたら650キロ飛んでいたということです。

急がなければならない日本の反撃能力の保有

有本)急がなければいけないのは、やはり反撃能力ではないでしょうか。独自に判断してやるということですよね。

飯田)もし撃ってきたらどうなるかわかっているのか、と。

有本)そういう力を持たないと抑止になりませんからね。

飯田)昔からよく言われていた、我々は真剣白刃取りなのだと。

有本)迎撃などというものはそうですね。

飯田)しかも大量に撃たれた場合、どうしようもありません。

有本)ましてや変則軌道になっているのです。

中国が撃ってきたミサイルは波照間島からわずか60キロに着弾

有本)日本にミサイルを向けているのは北朝鮮だけではありません。中国もロシアも日本向けのミサイルを撃っているわけです。なぜこんなにグズグズしていたのかということです。

飯田)中国もペロシ下院議長の台湾訪問のあとに、日本のEEZ(排他的経済水域)に5発ミサイルを撃ち込んできましたものね。

有本)排他的経済水域ですが、波照間島からわずか60キロです。少し距離が伸びたら着弾してしまいます。

飯田)射程が長く1000キロ~2000キロ飛ぶもので、60キロは誤差の範囲ですよね。

有本)誤差の範囲です。しかも5発くらい着弾しているわけでしょう。

飯田)5発です。

有本)いつ何があっても不思議ではない状況です。ここ数年の間で完全にステージは変わってしまった。それでも国会の反撃能力に関する議論が進まない、あるいは憲法があることによって難しいのであったら、憲法改正を急ぐべきです。

飯田)いわゆる専守防衛の部分ですね。

有本)そうならないというのは、日本国民として情けないと同時に、どうしたらいいのだろうと思いますね。

飯田)政府筋の説明だと「EEZは基本的に公海ですから、我々が何かをすることはできないのですよ」というような説明です。

有本)そういうお利口さんのような理屈には何の意味もありません。EEZは基本的には公海ですが、日本が管理・管轄する経済的な一種の活動ができる海ということです。

飯田)漁業であるとか。

有本)ミサイルを撃ち込まれて「EEZだから、いいか」というわけではないし、着弾した地点は波照間島と距離が60キロしか離れていないのです。

飯田)波照間島と。

有本)これで大騒ぎにならないのは考えられません。この夏に国会閉会中審査でも開いて、さっさと憲法に手をつける方向にいかないのが、むしろ不思議です。

日本も弾道ミサイルを持つことを考えるべき ~アメリカとの核シェアについても進める

飯田)長射程のミサイルが報じられていますけれども、日本で配備しようとするのは巡航ミサイルですとか。

有本)巡航ミサイルです。日本でも弾道ミサイルについて考えるべきです。9月27日は亡くなった安倍元総理の国葬儀が行われる日ですけれど、亡くなる前におっしゃっていた核シェアの問題も、アメリカときちんと話を詰めるべきでしょうね。核抑止を考えなかったらどうするのですか、という話です。北朝鮮もミサイルに核弾頭を搭載する技術を持ちつつあります。

抑止第一で対策を考えるべき

有本)そして、日本に向けたミサイルを持っている中国とロシアは当然、核保有国です。抑止を考えたら、やはりアメリカと核を共有して、いざというときには「使える」状況をつくっておかないと、何の抑止にもなりません。

飯田)よく言われることですが、日本のどこかを狙って核を撃ったときに、アメリカが自分たちのワシントンやニューヨークが狙われるリスクを冒してまで反撃するかどうか。

有本)そうなのですよ。

飯田)「確実に反撃するぞ」ということが抑止につながるわけですよね。

有本)そうです。ですから、いままで言われていた「核の傘」も幻影だったかも知れないですよね。日本と周辺諸国との間で、日本の方が国力が圧倒的にあるという時代なら、向こうも攻撃してきませんよ。

飯田)日本の方が国力が圧倒的にあれば。

有本)日本を経済的に利用した方が向こうは得ですから。しかし、違う状況になってきているわけではないですか。軍事力で脅した方が日本との関係を今後優位に進められると、考え方を変えてきている可能性もあるわけです。難しいことやお利口さんなことを言っていないで、とにかく抑止第一で対策するべきでしょうね。

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