キャスターの辛坊治郎が9月15日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。安倍元首相の「国葬」に対する岸田首相の姿勢について「無責任」と指摘した。
辛坊)今回の安倍元首相の「国葬」に関して、非常な違和感を持っていることがいくつかあります。私の持っていてる「国葬」のイメージに基づくものです。
戦後に行われた天皇陛下以外の唯一の「国葬」、吉田茂元首相の「国葬」が1967年にありました。この時には昭和天皇は参列されていないのですが、今回のイギリスのエリザベス女王の「国葬」を見てても分かりますし、世界の国葬もそうなのですが、元首が主催しない形であっても少なくとも参列をして、社会的には休日になって、国民全てで喪に服す……というのが「国葬」の基本的なあり方だと私は思うんです。
今回、「国葬」をすると決めたのであれば「国葬」をすべきなのであり、現状において、天皇陛下の参列がない、休日にもならない、国民に喪に服すことも求めない、費用は国が負担します……これでは「国葬」ではなくて、「国が費用を負担する葬儀」ではないのか。
飯田浩司アナウンサー)まさにそのロジックで、政府は「国葬と言わないんですよね。正式には「国葬儀」というんですよ。
辛坊)だから外国からは、例えば韓国は、大統領ではなく首相が参列。そして、全世界見渡した時に、元首は一人も参列しないのですよ。それはそうですねよね。当事国は元首が参列しないのに、海外に対して元首の参列を求められない。
日本の一部の憲法学者によると、首相が国家元首なのですが、国際慣例上は元首ではない。私は思うのですが、「国葬」にするのであればきちんと「国葬」をやるべき。「国葬」ができないのであれば、それが議論になるような不体裁なことはするべきでない。こうやって、凶弾に倒れた人に対して、葬儀をすることが賛成か反対かといったこととか、その人の在任中の実績が云々と議論すること自体が、私は非常に不快なんです。こういう不体裁なことがきっかけになって、亡くなった方の、ある意味誹謗中傷まで飛び交うきっかけになってしまっているわけです。
「国葬」ならばやはり元首の出席する中で、世界中からも元首が参列するという形を作って、きちんと「国葬」をすべき。それができないのであれば、従来の慣例通りの「葬儀」にした方が変な議論にならずに済むのではないかという思いが当初から私にはあります。この不体裁、不徹底。岸田首相は非常に無責任だと私は思います。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)